便秘に効く漢方薬

今月は便秘についてのお話です(^^)
便秘で悩んでいる方はとても多く、特に女性や高齢者ではかなりの割合で便秘の薬が処方されます。

便秘の薬は、便秘を治す薬ではありません。
あくまでもお腹に溜まった便を排泄させるための薬です。
ですので、決まった時間にトイレに行く習慣をつけ、繊維質を含む食べ物を多く摂り、また適度な運動を行うことが大切です!!

では、便秘の種類とお勧めの漢方薬を説明します(^^)

①直腸型便秘(習慣型便秘)
日常的に便意を我慢することで、腸に便が溜まっている状態を脳が感知できなくなり、便意が起こりにくくなります。その結果、便の水分が腸から吸収されて便が硬くなります。
便意の時間より身だしなみを整えることに時間を使う、働く女性や若い女性に多い便秘です。

このタイプの便秘には、腸の動きを高めて排便しやすくする“桃核承気湯(とうかくじょうきとう)”が効きます(^^)


②弛緩性便秘
腸の緊張が緩んで動きが鈍くなり便を押し出す力が弱くなるため、腸内に便が溜まり安くなります。
「おなかが張っているのに出ない」という苦しい状態になるのが特徴で、便はやや硬くなることが多く見られます。
また、腹筋が弱いことで排便する時にいきむ力が弱まってしまうのも原因のひとつと言われています。
腹筋力が少ない痩せ型の女性や運動不足の人もなりやすいタイプの便秘です。

このタイプの便秘には、腸の動き高めるとともに油の成分で便に潤いを与えてツルッと排便しやすくする“麻子仁丸(ましにんがん)”や、腸の動きを高めて排便しやすくする“桃核承気湯(とうかくじょうきとう)”が効きます(^^)
麻子仁丸は高齢者の便秘にもお勧めです!!

③痙攣性便秘
ストレスがたまって自律神経が乱れると、腸の動きが強くなって激しい収縮が起こり、腸が痙攣したような状態になります。
その結果、便をうまく送り出せなくなるため腸に便が溜まり、便秘になってしまいます。
このタイプの便秘は下腹部が痛くなることがあります。
便は細く短くなり、うさぎの糞のようなコロコロの状態になります。
痙攣性便秘と下痢を繰り返す場合は「過敏性腸症候群」の可能性があり、若い人に増えています。

このタイプの便秘には、お腹の痛みを和らげるとともに排便を促す“桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)”が効きます(^^)

また、便秘によく使われる漢方薬として“大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)”もあります。これは、腸の動きを高めて排便しやすくする最もポピュラーな漢方の便秘薬ですね(^^)

今日は便秘について説明させて頂きましたが、お薬だけに頼るのではなく、便秘の改善には生活習慣の改善も必要です!!
便秘薬の使いすぎには注意しましょう(^^)