全国に今、薬剤師として登録している人の数はおよそ24万人(厚生労働省『医師・歯科医師・薬剤師調査の概況2004』による)です。そのうちの約48%が薬局、約20%が病院や診療所、約19%が医薬品関係企業に従事しています。
中でも私たちが日ごろ一番よく接するのは薬局の薬剤師でしょう。薬局の薬剤師のメインの仕事は何といっても調剤業務です。患者さまから処方せんを受け取ると、患者さまの氏名や処方せんを交付された年月日、医薬品名など記載事項に不備がないかを確認します。また、処方された薬それぞれが、体で適切に働いてくれるかどうかも判断します。万一、記載もれや誤りがあるとき、また薬の働きが不適切になると考えられるときには、処方した医師に問い合わせて対処します。
処方せんを基に薬を調剤しますが、このときも、高齢の患者さまなどで一度にたくさんの種類の薬を服用される際には薬を1回分ずつ分けたり、錠剤が大きすぎて飲みにくい人には、散剤や口の中で溶けやすい錠剤があるときは医師と相談して、患者さまが飲みやすい剤型に変えるなど工夫します。
調剤した薬を薬袋に入れ、患者さまにお渡ししますが、このとき必ず薬剤師は服用方法(いつ、どのくらいの量を服用するかなど)や薬の効果、保管方法、日常生活の注意点などを説明します。これを専門用語で「服薬指導」といいます。服薬指導は、患者さまが安全に有効に薬を服用するためにとても重要なことなので、説明で何かわからないことや確認したいことがあったら、遠慮せずにどんどん薬剤師に質問してください。
薬剤師の試験を受けるには、これまで4年制大学の薬学部を卒業しなければなりませんでした。しかし平成18年度より基本的に大学での勉強期間が2年延び、6年間になりました。その理由として、医療が高度化したことや、医薬分業が進み薬剤師の役割が明確となり、臨床現場で活躍できる薬剤師の養成が求められるようになったことが挙げられます。そのため、4年間の薬学教育では不十分になってきたのです。修業年限の延長に伴い、実際の薬局や病院の中で学ぶ実習期間も従来の2〜4週間程度から24週間と大幅に増えることになりました。
一方、すでに薬剤師になっている人には、これまで以上に日本薬剤師会などがさまざまな生涯教育のための研修プログラムを用意し、レベルアップを図っていきます。
薬のプロである薬剤師は健康のアドバイザーでもあります。自宅での血圧の測り方から健康食品やスキンケアのアドバイスに至るまで健康全般に関する情報提供も行います。また、介護に関する相談にも応じます。
薬剤師はまさに地域のヘルスケアのサポーターです。そして、薬剤師のいる薬局は町の健康ステーションと考え、薬剤師や薬局を上手に活用して、ご自身やご家族の健康管理に役立ててはいかがでしょう。
※平成29年度までは経過措置として、4年制の薬学部を卒業した後に薬学の修士課程(2年)を修了し、定められた実務実習要件を満たした場合も受験可能。
