土の下で栄養を蓄えていた野菜が、ようやく芽吹く季節。いよいよ、春野菜の出番がやってきました。
やさしい色合いの葉に、やわらかな若い芽…冬を越えた野菜たちは、みずみずしさでいっぱいです。
今は多くの野菜が一年中店頭に並ぶ便利な時代ですが、おいしさも栄養も、旬のものがいちばん。
体調を崩しがちな季節の変わり目こそ、自然のリズムに合わせて、健康な食生活を送りましょう。
【野菜、足りていますか?】
健康な毎日のために、1日350g(※成人1人あたり)の野菜を取りましょう――厚生労働省「健康日本21」で推奨される野菜摂取量は350g。
おおよその目安は、野菜炒めなら2皿半、おひたしなどの小鉢なら5皿です。あなたや、家族が食べる野菜の量は、どうですか?
■硫化アリルが血液をサラサラに
切ったときに目に染みる刺激成分は硫化アリルといい、血中の脂肪分を減らす効果が期待されています。疲労回復を助けるアリシンも含まれています。
○選び方
表皮が乾いていてツヤのあるもの、芽が出ておらず、締まっているものが良品です。
■アスパラギン酸で疲労回復
アスパラガスから発見されて命名されたアスパラギン酸は、免疫力を高め、疲労回復をサポート。動脈硬化や高血圧予防効果も期待できます。
○選び方
芽にハリがあり、穂先がピンとしていて、しなっていないものが新鮮です。
■ビタミンCパワーで美肌に
かぜ予防や肌のシミ予防に効果を発揮するビタミンCが豊富です。さやえんどうのビタミンCは加熱による損失が少ないので、炒め物や煮物にぴったり。
○選び方
豆が感じられないほどさやが薄いもの、先端の白いヒゲがピンと張っているものがよいでしょう。
■ビタミンUで健康な胃腸に
胃腸の細胞の働きを活発にするといわれるビタミンUが豊富です。胃もたれなど、胃腸のトラブル解消をサポートしてくれます。
○選び方
葉の緑色が濃いほうがビタミンも豊富。ツヤ・ハリのあるものを選びましょう。
■たっぷりの食物繊維で便秘予防
豊富な食物繊維が腸で働き、便秘解消や、コレステロール排出をサポートします。βカロテンや、ビタミンB1、Cなども含んでいます。
○選び方
さやの緑が鮮やかでハリがあり、豆の大きさが均一のものを選びましょう。
■抵抗力を高めて春かぜ予防
ビタミンCや、βカロテンなどが豊富なので、粘膜を丈夫にして抵抗力を高める効果が期待できます。春かぜ予防や、肌荒れ防止に。
○選び方
茎や葉がやわらかいもの、切り口がみずみずしく、ツヤのあるものにしましょう。
■腸をゲンキにします
水に溶けない「不溶性」の食物繊維がたっぷり。腸の中でかさを増し、腸の運動を活発にして便秘解消や、腸内の有害物質排出をサポートします。
○選び方
穂先が黄色く、開いていないもの。切ったものは、切り口が白く、ぬめりのない品を。
■栄養バランスのよい淡色野菜
95%が水分のレタスですが、カリウム、カルシウム、鉄、ビタミンB1、食物繊維などをバランスよく含んでいます。利尿作用にも優れています。
○選び方
株の切り口が変色していないかをチェック。持ってみて、軽いものを買いましょう。
※各野菜の成分・効能は、代表的なものを記載しています。1つの食品に偏ることなく、バランスの良い食事を心がけましょう。
水分が多く、痛みやすい春野菜。一度に使わない場合は、それぞれの野菜に合った方法で保存しましょう。
■冷蔵 <栽培されている状態に近い状態にしておきましょう>
キャベツ…芯をくりぬいて、水を含ませたペーパーを入れておきます。ビタミンCが豊富な芯は、捨てずに調理を。ぬか漬けにするのもおすすめです。
レタス…芯をくりぬき、ラップまたは水気を含ませたキッチンペーパーに包んで保存します。
アスパラガス…立てた状態で入れます。
グリンピース…さやのまま保存。
たけのこ…水に入れて保存。
■冷凍 <生野菜は水分が多いので、加熱してから冷凍するのがポイント>
※小分けにしておくと、調理のときに便利です。
菜の花…かためにゆでて、水気をよく切ってラップに包んで。
玉ねぎ…油ですき通るまで炒めるか、切って電子レンジで加熱してから。
さやえんどう…かためにゆでておきましょう。
料理に、お茶にと用途が広く、栄養価もあるハーブを、自宅で育てて活用してみませんか。
下の3種は初心者でも育てやすいハーブ。苗から育てれば手軽です。
■ローズマリー
通称“若返りのハーブ”
殺菌効果、疲労回復効果があります。料理なら、肉の臭み消しなどに。ハーブティーとして飲めば、リフレッシュ効果が期待できます。
[適した場所]日当たり・風通しのよいところ
■イタリアンパセリ
料理に、彩りとビタミンを
ビタミンA、B、Cやミネラルを豊富に含む緑黄色野菜。細かく刻んでソースやドレッシングに、料理に添えてアクセントにも。
[適した場所]風通しのよい涼しいところ
■バジル
カルシウムが豊富
食欲をそそる香りはサラダやパスタ、ピザなどに大活躍。骨や歯の健康に欠かせないカルシウムが豊富なことでも知られています。
[適した場所]日当たりがよいところ
※品種によって水やりの仕方や生育場所など育て方が異なることがあります。お店で相談してみましょう。
○参考文献
『旬の食材 春・夏の野菜』(講談社)
『野菜&果物図鑑』(ファイブ・ア・デイ協会)
『五訂増補 食品成分表2007』(女子栄養大学出版部)
『食べて治す! 最新栄養成分事典』(主婦の友社)
『大切な食べものを無駄にしない読本』(財団法人ベターホーム協会)
『初めてのハーブ作り 定番50種』(小黒晃監修/世界文化社)