「運動をすすめられているけど、暑くておっくう」
「ジョギングやウオーキングは、日焼けが心配」
⇒そんなあなたには、“プールエクササイズ”がおすすめです……(1)へ
「クーラーのせいか、足腰が冷えてしまいます」
「心身の疲れが取れない。夏バテかな?」
⇒そんなあなたには、“お風呂”がおすすめです……(2)へ
水の中では、陸上では難しいと思っていた動きができたり、同じ動きでも陸上よりも多くの筋肉を動かすことができます。そうした水の特性を利用し、全身をトレーニングしましょう。
<水中で有酸素運動>
メタボリックシンドローム対策や運動療法、リハビリなど、水中運動は健康づくりに幅広く利用されています。水中運動の特徴は、浮力、水圧、水の抵抗、水温などの特性を生かすことで、歩くだけでも有酸素運動と筋力トレーニングができ、上のような効果が得られる点です。水泳のように特別な技術はいりません。この夏、さっそく始めてみませんか?
■健康ポイント
1.足腰への負担が少ないトレーニング
水中では重力から解放されるため、膝や関節への負担を減らしながら運動できます。
2.陸上より高い脂肪燃焼効果
体温より温度が低い水の中では、体温を保つために陸上より多くのエネルギーが消費されます。
3.リラックス効果
水中運動の後は副交感神経が優位になり、心身がリラックスした状態になります。
まずは立つ、歩くなどの基本的な動作から始めてみましょう。いつもは使わない筋肉が使われるのを実感できるでしょう。
1.立つだけエクササイズ
■バランスチェック
揺れる水の中でバランスを取って立つためには、腹筋など全身の筋肉が必要です。正しいバランスを保ちながら、体の芯となる体幹を鍛えましょう。
(1)水の中で、まっすぐに立ちます。
(2)肛門を締める(おならを我慢するようなイメージ)、お腹をひっこめる、内ももを締めるのどれかを意識しましょう。
<POINT>
耳、肩、腰、くるぶしが一直線になるよう意識しましょう。
■振り子体操(10回)
まっすぐの姿勢を保ち、腕を前後に振り子のように動かします。色々な方向から水の抵抗がかかるため体の軸が鍛えられ、肩回りの筋肉がほぐれます。
2.押すだけ筋トレ
■壁プッシュ(10回)
水の抵抗力を利用して、足裏と腹筋を強化するエクササイズです。体の軸を鍛え、バランスを整えます。お腹や下半身のダイエットにもおすすめ。
(1)まっすぐに立って両腕を前に伸ばし、手のひらを壁につけます。一気にひじを伸ばし壁を押します。
(2)後ろに倒れないようにして、前に戻ります。
<POINT>
倒れないよう、腹筋に力を入れ、足裏でふんばりましょう。
■壁のぼり(10回)
水中に入り、左右の足裏を交互に壁につけます。腹筋に力がかかっているのを感じましょう。
股関節を広げる動作は腰痛予防につながります。お腹や下半身のシェイプアップにもなります。
3.歩くだけ全身運動
■後ずさりウオーキング
前に歩くことに慣れたら、後ろ歩きにチャレンジしましょう。バランスが崩れやすいからこそ、バランスを回復する力が鍛えられます。
(1)まっすぐに立ち、つま先で床をこするようにして後ろへ足を出します。
(2)反対側の軸足に体重をかけ、動かした足のかかとをつけて、体重を移動させます。
(3)反対の足も同様に行います。
<POINT>
背中が反らないように注意して、お尻に力を入れます。
<水中でリフレッシュ>
シャワーだけで済ませたくなる、暑くて気だるい夏の夜。しかし、そうした日こそ、ぬるめのお湯にゆっくり浸かって、汗を出すのがおすすめです。体内の老廃物が排出されるほか、血行が促進され、冷えやむくみなどが緩和されます。簡単なストレッチも入浴中に行えば効果がアップします。身近な健康ルーム“お風呂”を活用して、夏を乗り切りましょう。
■健康ポイント
1.血行を促進し、冷えを緩和
水圧によって、下半身にたまった血液が押し上げられるので、血液循環がよくなります。
2.ストレッチ効果が高まる
水中では筋肉がゆるんで関節がよく動くため、陸上よりもストレッチ効果が高まります。
3.水に入るだけでマッサージ
水流が皮膚を刺激し、マッサージしてくれるので、肩のこりがほぐれやすくなります。
お風呂の中にも運動を取り入れると、日中の動作でこわばった筋肉がほぐれ、疲れが取れやすくなります。ぜひやってみましょう。
1.足先エクササイズ
■ふくらはぎストレッチ(5回)
足全体の筋肉を動かすことで、むくみを取り、ひざ痛を予防するストレッチです。外反母趾、O脚、X脚でお悩みの方にもおすすめです。
(1)足指をパーにして足首を曲げ、ひざとつま先を外側に向けてひざを伸ばします。かかと・ふくらはぎ・ひざを合わせるように力を入れて閉じます。
(2)足指をグーにして足首を伸ばし、つま先とひざを内側に向けます。
■足指グーパー体操(5回)
足首や足指の体操をしておくと、陸上歩行はもちろん、プールなどでの水中歩行もスムーズになります。ふくらはぎのむくみ解消にも効果的です。
(1)足を伸ばして、足の指を内側に曲げたり開いたりします。
(2)足首を曲げた状態、伸ばした状態で5回ずつ行います。
2.肩こり対策運動
■肩甲骨エクササイズ(5回)
首から肩のラインを整えて姿勢を正しくするほか、肩こりの緩和、背中のぜい肉のシェイプアップが期待できるエクササイズです。お風呂でもプールでもやってみましょう。
(1)ひじを直角に曲げ、小さく「前にならえ」をします。
(2)ひじを軸にして両腕を横に広げます。肩甲骨が寄るのを意識しましょう。
■腕まわし(10回)
家事やデスクワークを続けていると、背中が丸くなりがち。すると、腕や肩も内側へ丸まるくせがつき、ますます猫背になってしまいます。腕を回して、くせを直しましょう。
(1)腕を前に出し、手のひらを外側に回します。
(2)肩甲骨が寄るのを意識しながら、胸を張ります。
<疲労やだるさをすっきり流そう>
●しつこい肩こりに⇒熱いシャワーで肩をラクに
肩こりがひどいときは、少し熱いと感じるくらいの温度のシャワーをあてます。頑固な肩こりの場合は、冷たい水と熱いお湯を交互にあてるとさらに効果的です。湯船に入るなら、熱めのお湯に肩まで10分ほど浸かるとよいでしょう。
●冷え・むくみもすっきり⇒バケツでゆっくり足湯
足の冷えやむくみを感じるとき、また入浴できないときなどは、ひざ下だけでもお湯に浸かるとラクになります。バケツに熱め(42〜43℃)のお湯を用意し、椅子に腰掛け、両足首を入れて約10分間。ぬるくなったらお湯を足しましょう。
Q.どのくらいの頻度で運動するべき?
A.プールエクササイズは、1回40分程度(初心者は20分くらいから)で週2回行うのが理想的とされています。しかし週1回でも構いません。無理のないペースで行いましょう。
Q.きつさはどのくらいが効果的?
A.生活習慣病などで医師の診断を受けている方は、自分に適した運動を医師に確認することをおすすめします。また、運動の強度を心拍数で指示された場合、水中と陸上では同じ心拍数でも体への負荷が違うので、指示された心拍数からマイナス10くらいを目安にするとよいでしょう。
Q.水を飲むのは運動前?それとも後?
A.水中ではのどの渇きを感じにくいのですが、水中運動でも、陸上の運動と同じように汗をかきます。運動前には十分に水分を補給し、運動中もこまめに水を飲むようにしましょう。
■注意
心臓病や高血圧の人、薬を服用中の人は、運動前に医師に相談しましょう。また、骨や神経の障害、内臓の病気から起こる腰痛など、水中運動に向かない症状もあります。運動を行ってもよいか、医師の指示を仰ぎ、それに従ってください。
<取材協力>
アクア・ボディ・コンディショニング・ディレクター、ネスタジャパン プログラムディベロップアドバイザー 八木香先生
<参考文献>
『健康プールエクササイズ』(八木香著 主婦と生活社)
『水と健康ハンドブック』(日本医事新報社)