便秘しらずの快適な生活を

季節の変わり目は便秘になりやすいと言われていますが、便秘になる原因は様々です。朝から食生活に気をつける、野菜や果物、腸内細菌を増やす発酵食品をしっかり食べ、水分もしっかり取って快便の源をつくってきたはずですが・・・出ない。毎朝、バナナとヨーグルトも食べてるいのに?と悩んだことはありませんか?
便秘とは、一般的には3日以上排便がない、または1週間の排便回数が2回以下の状態です。「毎日排便しないと便秘」という訳ではありません。
若いころは便秘知らずの人でも、年を取ると便秘に悩むことが増えてきます。
厚生労働省は3年ごとに「国民生活基盤調査」をしています。この表を見ると男女とも、年齢を重ねるにしたがって便秘を訴える人が増えているのがわかります。50代までは女性が圧倒的ですが、60歳を超えると男性も増え、データでは男女とも80代の10%以上が便秘を自覚しています。高齢者に多いのは、腸の働きが低下し、大便を押し出す力が弱くなったために起こる「機能性便秘」です。
加齢によって便秘が増えるのには、4つの理由があります。
(1)食事・水分の摂取量の減少:加齢によって食事の量が減り、大便の量が少なくなるため、便意を催しにくくなる。また、トイレに行くのがおっくうと水分を摂らなくなるので、便が固くなる。
(2)腸の動きの低下:加齢とともに腸の働きが低下し、大便が腸にとどまる時間が長くなるので、便が硬くなって出にくくなる。
(3)筋肉の衰え:排便するときに使う腹筋や肛門括約筋が弱くなり、便を押し出しにくくなる。
(4)直腸の知覚の低下:便が直腸に到達すると、直腸の神経が大脳を刺激し、便意を感じるが、それが弱まり便意を感じにくくなり、排便のタイミングを逃してしまう。
便秘の基本的な解消法は、食事や運動などの生活習慣の見直しと、排便のリズムを整えることです。
「起床時にコップ一杯の水を飲む」事を習慣にして、食物繊維をしっかり摂り、散歩などの軽い運動をする。腸内の善玉菌を増やす発酵食品を摂ることも大切です。ときには下剤が必要になるときもありますが、必要な時だけ最小限にしましょう。
トイレで排便しやすいスタイルもあります。便座にはロダンの「考える人」のポーズのように前かがみで座り、かかとを少し上げてお腹に手を当てながら、軽くいきみます。肩の力を抜き、ゆっくり息を吐くと、リラックスして排便しやすくなります。数分頑張っても出ないときにはあきらめ、また挑戦しましょう。
また、便秘に効く体操も取り入れてみましょう。
仰向けに寝た状態で両ひざを抱え、体を丸めてお尻を浮かせるようにして反動をつけ、ゆりかごを揺らすように、体全体を縦に揺り動かす「ひざ抱え」。
(②-b) このようにして腸の伸び縮みを繰り返すことにより、蠕動運動を促進させます。
仰向けに寝て両腕を広げ、両ひざを90度立てて左右にひざをゆっくりと倒し、下半身をねじる「下半身ひねり」(③)など、いろんな体操があります。朝起きたついでに寝たまま行うと習慣づけやすく休息していた腸にとって良い目覚めの刺激となるので、朝いちばんのお通じがスムーズになります。
季節の変わり目は、無意識のうちにストレスを受けやすく、さらに寒暖差に体がついていけなくなることから、便秘になりやすくなります。適度なリフレッシュをしながら、季節の変わり目でも便秘にならない体を作っていきたいですね。   田畑