「肺の生活習慣病」とも言われるCOPD。
あまり聞き慣れない病名ですが、2001年の大規模な疫学調査では国内に少なくとも530万人の患者がいると推定されています。
原因のほとんどが喫煙であり、「タバコ病」ともいわれます。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、呼吸をするときに空気の通り道となる気管支や、肺の中に存在し、酸素と二酸化炭素の交換を行っている肺胞(はいほう)に炎症が起き、息を吸ったり吐いたりがしにくくなる病気です。かつては症状や部位によって「慢性気管支炎」「肺気腫」などと診断されていましたが、原因や治療法に共通点が多く、COPDとまとめられるようになりました。
COPDにかかる人の大半は喫煙歴があることから、COPDの主な原因はタバコの煙に含まれる有害物質と考えられています。タバコを吸う人はもちろんですが、自分自身が吸わなくても他の人のタバコの煙を吸う受動喫煙によっても発症することがあります。
喫煙以外に、大気汚染や感染症なども原因になるといわれています。
初期には咳や痰、息切れといった症状が出ることが多く見受けられます。ただし、こうした症状はかぜなどでも現れるため、つい見過ごされがちです。咳や痰が慢性的に続く、同年代の人と一緒に歩いていて他の人より歩くのが遅れる、階段を上り下りするときに息切れが激しいといったときは早めに呼吸器科などを受診しましょう。
放置しておくと肺胞の破壊が進みます。破壊部分が多くなると、肺の酸素を取り込む機能が低下するため、息切れがひどくなり、さらには全身が酸素不足となり、1日中酸素の吸入が必要になっていきます。いったん破壊された肺胞は元に戻らないので、重症化する前に治療を開始することが大事です。肺活量と息を吐いた時の空気の通り具合を調べる検査などが行われます。
COPDは根治することが難しく、症状の軽減、進行の予防、肺機能を維持することが治療の目標となります。治療ではまず病気の原因である喫煙を止めることが必要です。それだけでも息切れが軽くなったり、痰が減ったりする人もいます。
薬物療法は空気の通りにくくなった気管支を広げる作用のある気管支拡張薬が基本になります。よく用いられるのが口から吸入する吸入薬です。吸入器の使い方にはコツがあるので医師や薬剤師の指導を受けましょう。気管支拡張薬を吸入すると呼吸が楽になり、調子がよくなったと自分の判断で吸入するのを止める人がいますが、望ましいことではありません。必ず医師や薬剤師の指示に従うようにしてください。
「口すぼめ呼吸(※)」を行ったり、呼吸筋を鍛えると労作時の呼吸が楽になります。マスターするとよいでしょう。
(※)口すぼめ呼吸のやり方
軽く口を閉じて、鼻から息を吸い、口をすぼめて口笛を吹くような感じで、口から息を長く吐き出します。口の前に出した手のひらに、息を感じられるようにしましょう。
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