バックナンバー

今月の健康:内臓脂肪を減らすには

食べる以上に動こう!

食べることによって体が得るカロリーよりも、運動で消費するカロリーが多くなるような生活に変えることが大切です。さっそく今日からがんばりましょう。

■毎日、何カロリー食べていますか?
忙しい毎日、積み重なるストレス、便利なコンビニ食、そして避けられない外食・飲酒…。働き盛りの人ほど、カロリー過多に陥りがちです。まずは身近な食べ物のカロリーを知って、自分なりにカロリーを減らす工夫をしてみましょう。
■食べた分、消費していますか?
内臓脂肪が気になる人は、運動不足に心当たりがあるのではないでしょうか。内臓脂肪は過剰に蓄えられたエネルギーです。たくさん動いて消費しましょう。激しいスポーツができなくても、生活の中で動くことを心がけることが大切です。

こんな誤解をしていませんか?

■減らすのは、栄養ではなくカロリーです。

【誤解1】炭水化物を抜けばやせる ⇒ 栄養バランスは、健康の基本
ご飯や肉などを抜けば、たしかに内臓脂肪は減りますが、体に必要な栄養素が足りず、骨や筋肉などが減って疲れやすくなるなど、健康を損なうことになりかねません。
また、基礎代謝が落ちて太りやすい体になります。特定の食品だけを食べる単品ダイエットなどもやめましょう。

【誤解2】野菜ならたくさん食べてOK ⇒ 食材の周りのあぶらにも注目しよう
野菜にはビタミン、ミネラルなどの栄養素があり、低カロリー。たくさん取ることは良いことですが、天ぷらやフライ、油炒め、またドレッシングやマヨネーズのかかったサラダなどは、脂肪分が多くカロリー過剰になりがちなので、調理方法に注意して選びましょう。
◎カロリーは調理法でこんなに変わる(ナス中1本可食部70g当たり)
生のナス(15kcal)
炒めたナス(134kcal)
蒸しナス+マヨネーズ(118kcal)
ナスの天ぷら(220kcal)


【誤解3】アルコールは太らない ⇒ 飲みすぎていないか確認しよう
◎1日の適量のめやすは?
アルコールは、ビタミンなどの栄養素をあまり含んでおらず、腹持ちもしませんが、高カロリーの飲み物。飲みすぎは太る原因になります。
また、毎日ビール中瓶3本以上飲む人は、1本飲む人に比べてメタボリックシンドロームになる危険性が2倍になるというデータもあります。
○男性:ビール中瓶1本(500ml)あるいは日本酒1合
○女性:ビール1缶(350ml)
この倍以上飲む人は、週に2日飲まない日を作りましょう。

摂取カロリーを減らすには…

■食品のカロリーを知って、食生活を見直そう

【栄養バランスとカロリーをチェック】
45歳男性(事務系職務)の場合、1日に消費するカロリーは平均およそ2,000kcalといわれます。さて、MさんとSさん2人の食事のエネルギーは…。
(※食べ物のエネルギーは、調理方法や食材によって異なります。めやすとしてご覧ください。)

<朝食>
●Mさん:朝は1杯のコーヒーから
バタートースト 195kcal
ベーコンエッグ 174kcal
アスパラソテー 56kcal
コーヒー(砂糖、ミルク入り) 61kcal
○Sさん:栄養を考えて、牛乳を1杯
ご飯 168kcal
納豆 102kcal
大根とわかめのみそ汁 39kcal
牛乳(180ml) 120kcal

※メニュー選びのポイント
1日3食が基本。朝ご飯はきちんと食べましょう。おかずがあると、腹持ちがよくなり主食を食べすぎなくてすみます。


<昼食>
●Mさん:いつものそば屋で…
きつねそばセット 715kcal
(きつねそば 362kcal・半親子丼 343kcal・漬物 10kcal)
主食は1つにして、野菜のおかずを足しましょう。
○Sさん:お弁当持参
玄米ご飯 231kcal
いわしのかば焼き 253kcal
ほうれん草のごま和え 61kcal
ひじきの煮物 48kcal
柿 40kcal
玄米は噛み応えがあって満腹感が得やすいのでおすすめ。

※メニュー選びのポイント
外食は炭水化物や塩分が多くなりがちです。ご飯を大盛りにしない、めん類のスープは残す、また揚げ物は避けるように心がけましょう。


<おやつ>
●Mさん:コンビ二で買い物
カフェオレ(砂糖なし、250ml) 90kcal
バウムクーヘン 161kcal
○Sさん:会社で…
緑茶 0kcal
おまんじゅう 45kcal

※メニュー選びのポイント
甘いものなら、一般的に洋菓子より和菓子のほうが脂肪分が少なく低カロリーです。


<夕食>
●Mさん:いつもの居酒屋で…
ビール2杯 400kcal
日本酒1合 185kcal
焼き鳥3本 172kcal
春巻2本 368kcal
揚げだし豆腐 357kcal
★帰る前にシメの1杯
チャーシューメン 615kcal
○Sさん:自宅で晩酌
ビール1杯 200kcal
ご飯 168kcal
冷奴 80kcal
蒸し鶏 83kcal
けんちん汁 82kcal
りんご2切れ 40kcal
同じ豆腐でも、調理法によってカロリーが違います。

※メニュー選びのポイント
お酒のつまみには、揚げ物ではなく、蒸す、ゆでる、煮るなど油を使わないものを選びましょう。お酒の席では、こっそりウーロン茶を頼むなどの工夫も必要です。


<1日を終えて>
●Mさん:計3,548kcal
脂質、炭水化物、塩分の多いMさんの食事。このままでは、病気を招きかねません。今すぐSさんを見習いましょう。
○Sさん:計1,760kcal
和食中心で、栄養バランスを考えたSさんの食事。お酒や甘いものを適度に楽しんだり、週に1度は「ご褒美日」として好きなものを食べる日を作るなど、無理しすぎないのもポイントです。

※メニュー選びのポイント
食事に気をつけているSさんと、そのままのMさん。なんと1日で2倍以上の差が。1年後の健康状態や体型に差がつくのは当然といえそうです。

こんな疑問はありませんか?

■運動前に知っておきたい代謝の話

【疑問1】若い頃と同じ生活のはずなのに ⇒ 生活は同じでも、体は変わります
昔はどれほど食べても、運動しなくても太らなかった、という人は多いものです。これは、特別な運動をしなくても体の中で消費されるエネルギー「基礎代謝」が、年齢によって低下していくため。若い頃と同じエネルギー量を消費できないために、生活は同じでも自然に太っていくのです。

【疑問2】太りやすい体質は生まれつき? ⇒ 内臓脂肪を増やすのは体質+生活習慣
同じ量を食べても太る人と太らない人がいるのは事実です。これは遺伝子の違いによるものとされています。遺伝的に太りやすい人は、食生活や運動に気をつける必要があります。また、油分の多い食事を好む、たくさんお酒を飲むなどの生活習慣を受け継いでいないかも見直してみましょう。

消費エネルギーの半分以上は、基礎代謝

◎基礎代謝 60〜70%
人が生きていくために最低限必要な代謝エネルギー。呼吸をしたり、心臓や肺を動かしたり、体温維持、筋肉の収縮などで消費されます。
○活動代謝 30〜40%
歩行や運動で消費されるエネルギー。生活によって個人差があります。
●食事誘導性熱産生 10%
食後、食事のエネルギーの約10%は熱になって消費されます。午前中より夜のほうが少なくなるため、夜食べたほうが太りやすくなります。
(出典:図解でよくわかるメタボリックシンドローム)

▼基礎代謝量は年をとると減っていく
18〜29歳 男性:1,550kcal/女性:1,210kcal
30〜49歳 男性:1,500kcal/女性:1,170kcal
50〜69歳 男性:1,350kcal/女性:1,110kcal
70歳以上 男性:1,220kcal/女性:1,010kcal
(出典:図解でよくわかるメタボリックシンドローム)

消費カロリーを増やすには

■「たまにゴルフ」よりも「毎日歩く」

◎会話をしながら、毎日60分の運動を…
生活に合わせて取り入れましょう。食前、食後どちらでも大丈夫です。
種目:ラジオ体操、ウォーキング、ジョギング、自転車、水泳
強度:運動中に会話ができる程度(脈拍120/分程度。60〜70歳代の場合は100/分)
持続時間:60分
頻度:週に3〜5日以上


◎3ステップで、歩くことを取り入れよう
通勤のとき
(1)マイカー通勤 ⇒(2)自転車に変える ⇒(3)一部を徒歩に
買い物のとき
(1)週に1度まとめ買い ⇒(2)週3回にする ⇒(3)スーパーの中をくまなく歩く

生活改善のヒント

■体重計に乗ろう
1日1回体重計に乗るのなら、夜よりも朝がおすすめです。
毎日記録し、朝の体重が昨日よりも増えていたら、その日は食事を控えめにしたり、運動を増やすなどしてコントロールしましょう。
ダイエットのペースは、3〜4ヵ月で体重の5%を落とす程度が適当です。




<取材協力>
東京慈恵会医科大学 新橋健診センター 所長 和田高士先生
<栄養価計算>
管理栄養士 佐藤静香氏
<参考文献>
図解でよくわかるメタボリックシンドローム(和田高士著/保健同人社)
ダイエットの方程式(宮崎滋著/主婦と生活社)
NHK生活ホットモーニング 内臓脂肪ダイエット(日本放送出版協会)
五訂増補 食品成分表2007(女子栄養大学出版部)

このページのトップへ戻る