知れば面白く、食べておいしい、そして体にもよい発酵食品。特に日本は発酵食品が豊富で、和食と発酵食品は切り離して考えられない関係にあります。
日々の食事に生きる発酵の知恵は、今日まで受け継がれています。
◆みそもしょうゆも、こうじから
みそ、しょうゆ、酢、清酒などは、日本食の原点ともいえる定番の調味料です。その原料は、私たちのごく身近な食料。収穫した米や大豆を、加工して保存性の高い調味料として活用したというわけです。
<こうじから生まれる発酵食品>
米、麦、大豆などに、「こうじ菌」という微生物を繁殖させることで「こうじ」が作られます。このこうじと米や小麦、大豆などの材料を合わせて発酵させることで、栄養豊富な調味料が生まれます。
・こうじ+大豆+塩→酵母・乳酸菌⇒『みそ』
・こうじ+小麦+大豆+塩→酵母・乳酸菌⇒『しょうゆ』
・こうじ+米→酵母・乳酸菌⇒『清酒』→酢酢酸⇒『酢』
米こうじは市販されていますが、自分で作ることもできます。手作りの米こうじで、みそを作れば、おいしさも格別。秋から冬にかけての時期は、米こうじを仕込むのにぴったりの時期です。
(1)米を浸水する
たっぷりの水に一晩漬け、米に十分に水を吸わせます。
(2)強火で蒸し上げる
蒸し器に表面が均一になるように米を入れ、30分ほど蒸します。蒸し器の中の水がなくならないように注意しましょう。
(3)こうじ菌(※)をつける
蒸した米が冷めないうちに、こうじ菌(種菌・こうじかびとも呼ぶ)の胞子を茶こしなどで全体に振りかけてよく混ぜます。
こうじ菌の量は、米1キロに対し、耳かき1杯程度。
※こうじ菌を入手するには→株式会社糀屋三左衛門(〒441-8087 愛知県豊橋市牟呂町内田111-1 TEL:0532-31-0311 ホームページ:http://www.koji-za.co.jp )こうじ菌20gで800円前後。
(4)保温・保湿して発芽させる
熱箱や発泡スチロールのケースなどに米を入れます。米の表面に白い菌糸が生えてくるので、よくもみ込みます。
霧吹きやカイロなどを使用し、湿度90%〜95%、温度30度〜34度を保ちましょう。
(5)できあがり
ふんわりやわらかい米こうじが完成。ひとつまみ食べてみると、どこかなつかしい、やわらかい甘い香りがします。
◆発酵は、おいしい化学変化
「発酵」とは、私たちの周りにもたくさん存在する微生物の力を借りた、伝統的な食の知恵。必要なのは、少々の手間と時間です。おいしくなるのを待ちながら…。
◆漬け込むことで、栄養価がアップ
家庭でできる発酵食品といえば、ぬか漬け。火を通さないと食べにくい根菜類も、漬けておくだけで食べられ、栄養価もぐんと高くなります。外食の多い方や、野菜不足の方に特におすすめです。
◆自家製なら、おいしさも格別
ぬか床は、きちんと手入れをすれば長く使えるのでとても経済的。手入れのポイントは、(1)毎日よく混ぜる(2)水を抜いたり、ぬかや食塩を足して固さを保つ(3)ときどき、コンブや酒かすなどを入れて風味をよくする ことです。
◆ヘルシーな「発酵」と、キケンな「腐敗」
発酵も腐敗も、食品に微生物が付くという点では同じ。栄養分やうま味が増すなど、人間に役立つ微生物の働きを「発酵」、食べ物を腐らせたり、食中毒などの症状を引き起こす微生物の働きを「腐敗」といいます。発酵すると、人間に有益な微生物が繁殖し、人間に有害となる腐敗菌を抑えるため、保存性が高くなります。なお、腐った食べ物を煮れば食べられるというのは間違いです。煮ても壊れない毒素もあるので、十分注意しましょう。
発酵食品は食文化。それぞれの気候風土に合った発酵食品があります。
◆韓国[キムチ]
香辛料や調味料をきかせて、野菜を乳酸発酵させた漬物。別名、朝鮮漬。
◆ドイツ[ザウワークラウト]
キャベツを小さく刻んで塩を加えて漬けたもの。ソーセージと相性ぴったり。
◆タイ[ナンプラー]
小魚を発酵させて作る、タイの代表的な調味料。アミノ酸が豊富で濃厚な味。
◆イタリア[アンチョビ]
カタクチイワシを塩漬けして発酵させたもの。ペーストやソースなどもあります。
コガ薬局 【 KOGA Pharmacy 】