健康コラム

水虫

連休も終わり、暖かくなってきましたが、これからの季節、増えてくる身近な病気が“水虫”です。

●水虫とは?
水虫は白癬菌という真菌(カビ)が原因で起こる感染症のことを言います。皆さんは水虫は足にしかできず、必ずかゆみがあるとは思ってはいませんか? 手足の爪や足の裏の水虫はかゆみがないものもあります。最近では女性の水虫の方も増えています。

白癬菌は、ジメジメして蒸し暑い梅雨時から夏場にかけて、白癬菌の活動の最盛期を迎えます。また靴や靴下を長時間履き続けていると、皮膚が汗ばみ蒸れた状態になります。そのような皮膚は、白癬菌にとって格好の住み家です。

白癬菌の感染力は、空気感染や直接接触による感染はほとんどないと考えられています。しかしながら、水虫の感染患者が落とした皮膚の垢などが別の人の皮膚に付着することで感染しますので、複数の人が使うバスルームの足ふきマットやスリッパなど湿った暖かい場所は特に要注意と言えます。

●治療法
「水虫は治らない」と思いこんでいませんか?しかし最近では、白癬菌に対して優れた抗菌作用を持つ薬が開発され、水虫治療に効果を上げています。水虫治療の薬には塗り薬と飲み薬があり、それぞれの水虫のタイプや症状に応じて治療が行われます。

■塗り薬 (市販薬と医師が処方する処方薬があります)
水虫治療の中心となるのが塗り薬です。薬を直接患部に塗ることで、白癬菌を殺したり、その発育を抑える目的で用います。塗り薬を用いる場合は、まず患部をよく洗い、皮膚表面の汚れを落とすことが大切です。また足水虫(足白癬)の場合は、特に以下の点に注意が必要です。

・毎日欠かさず、最低1ヵ月以上続ける
・症状のない足の指の間、足裏全体にも塗る
・塗り残さないようまんべんなく塗る
・ただれやひび割れがある場合は、かぶれに気をつける

●塗り薬の特徴
【クリーム剤】
皮膚への浸透力に優れ、水虫治療に最も多く使われています。塗った際に多少べたつくのを気にする人もいます。

【液剤】
アルコールを含んだ液剤は、乾きやすいので塗った際の使用感は良いのですが、刺激性があるため症状が悪化した患部には適しません。

【軟膏剤】
クリーム剤よりベタベタしますが、刺激性が少ないため、亀裂ができて痛むような患部にも使用できるメリットがあります。

■飲み薬(医師が処方する処方薬のみ)
塗り薬による治療の効果、症状の悪化が想定されるような場合には飲み薬が適応となります。具体的には以下のような場合が該当します。

・毛や爪にまで入り込んだ水虫
・角質増殖がみられる水虫
・塗り薬でかぶれてしまった水虫
・ただれやひび割れがひどくて、じゅくじゅくした水虫
・患部が細菌感染を起こしていたり、広範囲におよんでいる場合

医師の指示に従って根気よく治療を続けることが完治へつながる第一歩です。




手足口病

乳幼児の間で手足口病の感染が流行しています。

手足口病とはその名の通り、手のひら・足の裏・口の中に小さな水ぶくれができる病気。お尻やひざに出ることもあります。乳幼児の間で感染します。以前にかかったことのある子供さんでも再度感染する可能性があります。

熱はたいてい出ませんが、ときに高熱が出ることもあります。手足の水ぶくれは痛がりませんが、口の中が痛くて食べられなくなることがあります。

【治療】
治療をしなくても自然に治ることがほとんど。熱や口の痛みがあるときはその薬を服用します。

【家での注意点】

食べ物・・・口の中が痛いときは、しみないものを与える。熱いも の、塩味や酸味の強いもの、かたいものは控える。

入浴・・・・熱もなく元気であればかまいません。

学校・・・・熱がなく元気であれば行ってもかまいません。

口の中が痛くて水分摂取しない場合や、高熱が続く場合、吐いてぐったりしているときには受診してください。

(出典:子どもの病気ホームケアガイド)

経口補水液

梅雨から夏にかけて注意が必要なのは気温の上昇による『脱水症状』です。子供さんの場合には嘔吐下痢や発熱による脱水にも注意が必要です。
 
 からだの水分は生命活動に欠かせません。たくさん汗をかいた後や下痢や嘔吐を起こした場合、多くの水分と電解質が失われてしまいます。すぐに水分と電解質を補わないと体液のバランスが崩れ、体に大きな変調が現れます。

水は血液の主成分として体中を巡り、代謝を促し、汗や尿となって老廃物を排出し、蒸発して体温を調節します。この水は、実に体の約60%を占めていますが、その割合は年齢によって違います。
 生まれた時は約80%、成人になると男性約60%・女性約55%にまで減少します。さらに60歳を超えると、約50%まで水分量が落ちてしまいます。
 
 体の水分は、3%以上失われると様々な症状が現れます。10%以上失うと、入院しなくてはならない場合が多くなります。さらに進めば命にも関わります。また、体内の水分が不足すると血液が濃くなって血管が詰まりやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞などを招く危険性があります。高齢者の場合、夏の暑いときに食欲不振になりやすく、水分摂取量が不足すると脱水が起こりやすく、要注意です。

 みなさんは大量の汗をかいた時や下痢の時に大量の水分やスポーツ飲料を摂取していませんか?
 高熱による発熱や下痢などで、ひどい脱水状態を起こしたときは水分補給が欠かせませんが、補給する水分を選ぶことが大切です。 体内の水は塩分(電解質)を含んでいるので、ただの水を補給すると薄まってしまうのです。経口補水液と比べるとスポーツ飲料などの塩分は少なく、大量に飲むとかえってからだがだるくなることがあります。

 脱水から回復するためには、脱水の原因を取り除くことはもちろん、失われた水分と電解質を補給することが望まれます。 ORS(Oral Rehydration Solution:経口補水液)は、水分と電解質をすばやく補給できるようにナトリウムとブドウ糖の濃度を調整した飲料です。

●なぜ水分吸収に優れているのか
脱水とは、水分だけでなく電解質(NaCl=塩分、K=カリウム)も失われることです。脱水状態に陥った時、水だけを補給しても電解質を補うことが出来ません。
経口補水液には、数種類の電解質とブドウ糖などがバランス良く含まれています。重要な電解質であるナトリウムイオンは、適度のブドウ糖がある方がからだに取り込まれやすくなります。そして大切なのは、その比率。
経口補水液の場合、ちょうど良いバランスで作られています。だから吸収に優れているのです。

 オーエスワンは脱水の予防に赤ちゃんから高齢者の方まで幅広く飲んでいただける経口補水飲料です。一度に飲むのではなく、時間をかけてこまめに摂取してください。

●1日摂取量の目安
幼児:1日300~600mL 学童:1日500~1000mL

解熱薬と坐薬の使いかた

乳幼児は熱をよく出しますが、そんなときのお役立ち情報を掲載します。

■ 高熱は脳に影響があるの?
  熱が高いと脳にダメージを受ける、と思われがちですが、40℃ぐ  らいの熱があっても脳はダメージを受けないそうです。

■ 解熱薬は一時しのぎ
  解熱薬は熱によるつらさを軽くするための薬で、病気そのものを治  す薬ではありません。熱を下げることばかりに気をとられないよう  注意しましょう。

※※解熱薬の使いかた※※
・38.5℃以上でつらそうなときは使う。
・高熱でも元気そうなら使わなくてもよい。また、眠っている子を起 こしてまで使う必要もありません。
・一度使ったら、次に使うには6時間以上あけてください。

■ 坐薬か飲みぐすりか
  効き目は同じです。吐く子には坐薬を、下痢のときや坐薬が嫌いな  子には飲み薬を使います。坐薬と飲みぐすりの解熱薬を同時に使っ  てはいけません。

■ 冷やしてもいい?
  冷却シートなどをおでこに貼るのも気持ちがいいでしょう。しか   し、冷やしても熱はあまり下がりません。子どもが嫌がるときは無  理に冷やさなくてもかまいません。

■ 坐薬のいろいろ
  解熱薬の坐薬の他にも、吐き気止めやひきつけ予防など、坐薬にも  いろいろあります。坐薬の名前を確かめて使いましょう。何に効く  坐薬かがわからない場合は、遠慮なく薬局にお問い合わせくださ   い。

※※坐薬の使いかた※※
・坐薬は冷蔵庫で保管すれば、最低1年以上は使用できます。(使用 期限が包装に記載してあるものもあります。
・カットする場合は、中身を出す前にはさみでカバーごと切ります。
・赤ちゃんではおむつを替える体勢で入れます。
・手で先端を温めて表面を滑らかにしたり、肛門や坐薬の先にオリー ブオイルやベビーオイルを塗ると、無理なく入ります。
 ただし、けいれん予防や吐き気止めの坐薬と解熱薬の坐薬を使うと きは、けいれん予防・吐き気止めの坐薬を先に入れ、30分たって から解熱薬を入れます。これを逆にした場合はけいれん予防や吐き 気止めの坐薬の効果が低下します。また、オリーブオイルやベビー オイルの使用もこの場合は避けてください。

■ 坐薬を入れて便が出たとき
  坐薬を入れてすぐに便と一緒に出た場合は、もう一度同じ坐薬を入  れてもかまいません。しばらくたっているのなら追加しないほうが  いいでしょう。30分たっていればほとんどが吸収されています。

  熱が出ているときはこまめに水分摂取が大切です。

  次回は経口補水液についてお話しいたします。

(出典:子どもの病気 ホームケアガイド)