第2回 食事について

さて、前回の投稿でお話をしたように、
普段食べている食材が身体に対してどのような効果があるのか
ということを説明していきたいと思います。



今回ご紹介する食材は、前回も軽く説明させて頂いた
【大根(ダイコン)】です。


アブラナ科大根属越年草で旬は11~2月
多くは青首ダイコンと言われ、年中収穫できますが
寒い時の方が甘みがありみずみずしい。
葉に近いほど甘みがあり、下にいくほど辛味が強くなります。

良いものの選び方は
首が明るい緑で重みがあり、表面に出ているヒゲの穴が深くないものを選びましょう。


さて前回は
ダイコン…冷 消化不良 吐き気 利尿作用
と簡略して書きましたが


少し詳しくすると
ダイコン

五気 : 涼
六味 : 辛/甘
帰経 : 肺/胃


適応症状

1.清化熱痰
2.下気消食
3.散瘀止血
です。


漢字をみれば大体わかるものもあれば、
どういうことだろう?と思う単語があったりしたのではないでしょうか。


「五気六味」とはなにか。

医食同源…バランスのとれた食事をすることで予防になり、治療にもつながる。という考え方があります。

簡単に言えば
塩分を取りすぎたから、高血圧になってしまった。
だから塩味を減らしてバランスの良い食事を取ろう。
という感じです。
食事療法の予防と治療みたいなものですね。

と、話は逸れましたが、
医食同源の考え方を取り入れ、食材をある程度分類したものになります。


身体を冷やすものか温めるものかをレベルで分けた
五気『熱、温、平、涼、寒』

食材の味を分類分けした
六味『酸、苦、甘、辛、鹹、淡』

というものです。


「帰経」とはなにか。

食した食材が、身体のどの部位に影響を及ぼすのかを示したものになります。
ダイコンで言えば 肺と胃ですね。


では話を戻して、


ダイコン…五気:涼 六味:辛/甘
帰経:肺/胃

適応症状

1.清化熱痰…熱性による咳、痰が多い、声枯れ

2.下気消食…消化不良による胃や腹部の張り、吐き気、下痢、便秘

3.散瘀止血…熱性による鼻血、吐血

ダイコンは身体を冷やしてくれるため、身体にこもった熱を下げてくれます。

ただし、火を入れる。
例えば、煮物やおでんなどをした際は
食材に調理法として『熱』を加えることで食材の持つ『涼』が緩和されると思ってください。

冬の寒い時期に食べる、熱々のよく味の染みたおでんのダイコン…
身体を温めるつもりが、食べたら逆に冷えるじゃないか。
なんてことになりますからね。


適応症状を見るとこんな人に効くんじゃない?とイメージが湧くのではないでしょうか。

そう風邪です。しかも熱の出ている。
ダイコンは、水分を多く含み肺を潤すので、
声枯れや痰状態の改善にも向いています。
お腹の調子が悪くて食べれない時などにも良いですね。


西洋的にみても
ダイコンは消化酵素のアミラーゼを多く含んでいる為、胃腸の調子も整えます。
カリウムも多く含むので、利尿作用があり
お腹の張りやむくみなどの改善もあります。
そして、ダイコンの葉にもビタミンCが多く含まれる。と。
なんて熱性の風邪や食あたりの時の食事に向いてる食材じゃないかと思いませんか。


ということで、私は患者様に「風邪や食あたりの際、何を食べたらいいか」という質問をされた時は

「雑炊+火を入れていないおろしダイコン+ダイコンの葉(無ければネギ)」をオススメしています。


他にも食べ合わせとして
ダイコン+はちみつ=肺を潤し喉の炎症や乾燥を緩和したり。

ダイコン+あさり=身体の熱をとり余分な栄養を排出して生活習慣病の予防をしたり。


と、食材の良い組み合わせを知る事で、
普段食べているものに対する考え方や作る時に
一つの料理のアクセントを加えることができると思います。

ただし、今説明したことは日々の生活の+αです。
「作用があるから、これに頼ろう!」と思ってはいけません。
状態の良し悪しは自己判断せず、きちんと病院を受診してください。
今回は長くなりましたが、次回からはもう少し短くはできるのではないかな?

それでは。