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薬局からのお便り:ちゃんと理由がある「薬の形」

 錠剤やカプセル、粉薬など、薬の形のことを「剤形」といいます。必要な量を必要な部位に届けたり、効力を十分に発揮させたり、飲みやすくするために、さまざまな剤形の工夫がされています。

 例えば、内服薬の錠剤。薬の成分(原薬)に乳糖やデンプンを加えて混ぜ、一定の形に圧縮したり、薬の成分が溶ける時間を調整したりしています。錠剤は保管しやすく、携行にも便利です。また、苦味を減らすために表面を糖でコーティングしたり、効き目を長時間維持するために二重構造にするといった加工がしやすいというメリットもあり、多くの薬に採用されています。

 内服薬の多くは、腸で吸収されるため、薬が効くまでに一定の時間がかかります。薬の種類によっては、胃を強く刺激するものがあります。これに対して、例えば外用剤の坐薬は、肛門から入れ、大腸から吸収させるので、内服薬に比べると速効性があります。胃を通らないので、胃を直接荒らすこともありません。

 最近、口腔内崩壊錠という水なしでも飲める薬が開発されました。少量の唾液で数十秒以内に溶けるため、従来の錠剤では大きすぎて飲み込むことが難しかった高齢者でも服用しやすいということで注目されています。

 このように、薬の剤形にはそれぞれ意味があります。ですから、錠剤を噛みくだいたり、カプセルを開けて飲んだりするのは、せっかくの工夫を壊すことになります。場合によっては、効き目が持続しなかったり、胃酸で薬の成分が分解されて効かなかったりということがあります。もし、飲みづらいなど、薬を使用する際に不便を感じた場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。

代表的な剤形

■ 内服薬
・錠剤
異なる成分が層状に固められた多層錠、成型したままの裸錠、裸錠の表面が糖でコーティングされた糖衣錠、裸錠の表面に苦味や臭いなどを防ぐための皮膜をつけたフィルムコート錠などがある。保管、携帯、服用に便利。

・カプセル
ゼラチン等の容器に薬を詰めたもの。体内でカプセルが溶けて、中の薬が作用する。薬の不快な臭いや味をカバーできる。カプセルのゼラチンが食道の粘膜に付着することがあるので、多めの水で服用する。

・散剤
胃や腸の中で薬が分散しやすく、吸収も早い。錠剤がうまく飲めない高齢者や小児に適している。

・顆粒剤
散剤のように口の中にくっついたり、苦味があったりしないように、工夫された粒状のもの。

・液剤
小児用によく用いられる。甘味や香りをつけて飲みやすくしたシロップ剤もある。


■ 外用薬
・軟膏薬
ワセリンや脂肪油に薬を練り合わせたもの。クリーム状やゲル状も含まれる。患部を清潔にしてから塗ること。

・貼付薬(シップ剤、貼り薬、パップ薬)
薬剤が布などに塗られている。長時間貼った状態や、いつも同じところに貼ると、皮膚がかぶれやすいので注意。

・坐薬
肛門に挿入しやすいよう細長い形になっている。痔の薬などに用いられる。溶けやすいので原則として冷蔵庫で保管する。

・点眼剤
いわゆる目薬。無菌製剤なので、容器の先をまぶたにつけないように点眼する。他の人との共用は避ける。

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