薬と食べ物で相性が悪いことでよく知られているのが納豆とワルファリンです。この薬は、血栓ができることで起こる心筋梗塞などの治療や予防に用いられ、血を固まりにくくします。
納豆の中には、血液を凝固させる因子を助ける働きをするビタミンKという成分が含まれています。
そのため納豆とワルファリンを一緒に体内に取り入れると、納豆のビタミンKによってワルファリンの働きが弱められてしまい、血が固まりやすくなり、固まった血が血管に詰まって血栓ができる危険性が高まります。
特に納豆の場合、腸の中で納豆菌がさらに多くのビタミンKを作り出すといわれているので、ワルファリンを服用している人は納豆を食べることは避けましょう。
ビタミンKは納豆以外にも、ほうれん草や小松菜などの緑黄色野菜にも多く含まれているので、これらの野菜の大量摂取も控えたほうがよいでしょう。
高血圧や狭心症などの治療に使われるカルシウム拮抗薬は末梢の血管を広げ、血液の通りをよくし、血圧を下げます。
この薬を服用している人がグレープフルーツジュースを飲むと、薬の効果が強まり、血圧が下がりすぎてふらふらしたり、頭痛やめまいなどの副作用が出ることがあります。
これは、グレープフルーツに含まれるフラボノイド類の作用によるものです。このフラボノイド類は、小腸や肝臓にある薬の代謝に必要な酵素の働きを妨げる作用があります。そのため、カルシウム拮抗薬が代謝されず、血中濃度が高くなって効きすぎてしまうのです。
同じく、薬の効果を強めてしまう飲み合わせとして気管支拡張剤とカフェインなどもあります。
チーズと一緒に服用すると影響が出る薬もあります。チーズにはチラミンという交感神経を刺激する成分が含まれていますが、結核の治療薬であるイソニアジドなどはチラミンの代謝を妨げる作用があり、動悸、血圧上昇などを起こすことがあります。
食べ物だけでなく、健康食品との併用も注意が必要です。
抗うつ効果やリラックス効果があるとされるセント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ)というハーブは、てんかんや不整脈などの薬や、いくつかの特定の薬と一緒に取ると、薬が効きにくくなることがわかっています。
薬と食べ物、飲み物の悪い組み合わせ例は今回紹介した以外にもたくさんあります。薬を効果的、かつ安全に使うために、薬を服用する前に、飲み合わせについて医師や薬剤師とよく相談しましょう。
また、他に薬を飲んでいたり、健康食品やサプリメントを利用している人は医師や薬剤師にそのことを伝えてください。