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今月の健康:食物繊維のすごいパワー

メタボ対策やダイエットに、プラス5gの食物繊維

食物繊維とは、体内で消化されない食品成分です。栄養にならないため、昔は軽視されていましたが、上のようなすぐれた生理作用があることがわかり、注目を集めるようになりました。
しかし、食物繊維の摂取量は年々減ってきています。厚生労働省の定める食物繊維の1日当たりの摂取目標量が20gであるのに対し、実際の平均摂取量は15g程度しかありません。
健康増進、生活習慣病予防のために、食物繊維を意識することはとても大切です。摂取目標量の20gをめざし、いつもの食事に「あと5g」を心がけてみませんか。

消化されないから体にいい 食物繊維の働き

○排便を促す→便秘予防に
食物繊維は、便の量を増やし、消化物が大腸にとどまっている時間を短くするため、快便を促す効果が期待できます。
○コレステロール値を下げる→高脂血圧の予防に
腸の中で、コレステロールや、コレステロールから作られる「胆汁酸」を吸着して、排泄する働きもあります。
○血糖値の急上昇を抑える→糖尿病の予防に
糖が消化管に吸収されるスピードをおだやかにして、血糖値の急上昇を抑えます。
○食べすぎを防ぐ→ダイエットに
食物繊維を含む食品は噛みごたえがあるものが多いので、自然に噛む回数が増え、満腹感を味わえます。

プラス5gってどのくらい?

食物繊維の摂取量が昔に比べて減った理由には、玄米や麦ごはんなどの穀物や、野菜・果物、乾物、海藻、豆類を食べなくなったことが大きいとされています。
これらの食品を積極的に食べることが摂取量を増やすポイントになりそうです。

<食物繊維5g早見表>
食べ物の種類ごとに、食物繊維の多い食品を集めました。食物繊維というと、セロリやごぼうなどの野菜を思い浮かべるかもしれませんが、穀類、豆類にも豊富なのがわかります。
▼穀類
【そば(ゆで)】250g/ざる1枚弱
【麦ごはん】163g/1杯弱(押麦を3割混入した場合)
【ライ麦食パン】90g/1枚半
▼野菜
【春菊(ゆで)】135g/約1束
【西洋かぼちゃ(ゆで)】121g/約1/16個
【カリフラワー(ゆで)】156g/3〜4房
▼海藻
【寒天】333g(水で戻し、固めた状態)
【茎わかめ】100g(湯通し塩蔵・塩抜き)
【もずく】357g(塩蔵・塩抜き)
▼きのこ類
【干ししいたけ(ゆで)】66g/約4枚
【まいたけ(ゆで)】138g/約1パック半
【ぶなしめじ(ゆで)】104g/約1パック
▼果物
【干し柿】37g(約1/2個)
【アボカド】142g/約1/2個
【りんご】333g/大1個弱
▼豆類
【あずき(ゆで)】43g/約1/4カップ
【ひよこ豆(ゆで)】43g/約1/4カップ
【糸ひき納豆】74g/1〜2パック
▼芋類
【さつまいも(蒸したもの)】131g
【大和芋】200g
【さつまいも・蒸し切り干し】86g/3枚

毎日、プラス5gの食物繊維を ―いつもの食事にひと工夫―

食物繊維は、通常の食事でも不足しがちな栄養素です。
外食が多い方や、食事回数の少ない方は、さらに不足してしまう傾向があります。普段の食事で、意識して食物繊維の摂取量を増やすようにしましょう。

■いつもの食事にひと工夫
おなじみのメニューで食物繊維の量を増やす例です。メニューごとにひと工夫すれば、1食分で5g増やすことも難しくありません。

○野菜は加熱してたくさん食べよう
<いつものメニュー>
・白飯……0.5g
・みそ汁(とうふ、油揚げ)……0.7g
・ポークソテー、キャベツの千切り……0.9g
<プラス6gのメニュー>
・麦ごはん……2.5g(押麦を1割混ぜて+2g)
・みそ汁(とうふ、油揚げ、なめこ、ねぎ)……1.7g(具を増量して+1g)
・ポークソテー、キャベツの千切り……0.9g
・春菊としめじのおひたし……3g(1品足して+3g)
主食のごはんに押麦などの雑穀を混ぜて炊くと、手軽に食物繊維を増やすことができます。混ぜる雑穀の量は、1割くらいから始め、好みで加減しましょう。

○洋食にも日本の食材をアレンジ
<いつものメニュー>
・カルボナーラスパゲティ……2.2g
・グリーンサラダ(レタスとキュウリ)……1g
・カスタードプリン……0g
<プラス7gのメニュー>
・納豆とトマトのパスタ……6.2g(メニューを変えて+4g)
・きのこのサラダ(上記のサラダにしめじ、まいたけ、えのきを追加)……3g(きのこを加えて+2g)
・寒天ゼリー……1g(デザートを変えて+1g)

◎プラス5gをじょうずに取るポイント

(1)主食(穀物)を工夫する
1日3回食べる主食を、食物繊維の多い食品に変えると効率的です。米なら雑穀を入れたり、玄米食にしたり、パンなら全粒粉やライ麦パンにするなど、未精白の穀類がおすすめです。

(2)野菜を加熱して食べる
生で食べられる野菜よりも、加熱しないと食べにくい野菜のほうが、食物繊維が多く含まれています。加熱してかさを減らし、たくさん食べましょう。

(3)1日1回は海藻やきのこ、芋、豆を食べる
どれも和食では定番の食材です。主食を米にし、和食のメニューを多く取り入れるようにすると、自然にこうした食品を増やすことができます。

(4)1日1回果物を食べる
果物はジュースにすると加工する工程で一部の食物繊維が失われてしまうため、生で食べるのがおすすめです。糖分が多いので、1日1個程度がよいでしょう。

(5)食物繊維の多い加工食品に頼りすぎない
食物繊維を取りすぎると、下痢を引き起こし、必要なミネラルも排泄されてしまいます。通常の食品であれば、取りすぎることはありませんが、食物繊維を強化した加工食品ばかり食べると過剰摂取になることがあるので、含有量を確認しましょう。

なるほど食物繊維

■食品によって違う食物繊維の働き
ひとくちに食物繊維といっても、食品によってその作用は違います。単一の食品や、加工食品で摂取量を満たすのではなく、さまざまな食品を食べることで、多様な効果を健康に役立てることができます。

■水溶性食物繊維と不溶性食物繊維
食物繊維は、水に溶ける「水溶性食物繊維」と、水に溶けない「不溶性食物繊維」に大きく分けることができます。
<水溶性食物繊維>
腸内の有害物質を吸着し、体外に排泄する働きがあります。また、水溶性食物繊維が大腸に到達すると、善玉菌であるビフィズス菌が活発に働きだすため、悪玉菌が生育しにくくなり、腸内環境がよくなります。
・多く含む食品…大麦、ごぼう、果物、海藻など
<不溶性食物繊維>
胃や腸で水分を吸ってふくらみ、便の量を増やし、便通を整える効果が期待できます。
・多く含む食品…小麦ふすま、豆類、干ししいたけ、かんぴょう、切り干し大根など





【取材協力】
大妻女子大学 家政学部教授 池上幸江先生
【参考文献】
『コレステロール・食物繊維早わかり』(女子栄養大学出版部)
『五訂増補食品成分表』(女子栄養大学出版部)
『臨床栄養』vol.100 、No.3 2002「食物繊維と疾病の予防・治療」(医歯薬出版)
厚生労働省HP「日本人の食事摂取基準について」「平成18年国民健康・栄養調査結果の概要」

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