「血糖値がちょっと高め」から始める糖尿病対策

2016.11.09 薬局で相談しよう

イラストレーション:堺直子


健康診断などで「血糖値が高め」と指摘されていませんか。「糖尿病になったわけではないから」と放置しておくと、知らない間に糖尿病になっていた、ということになりかねません。11月14日は世界糖尿病デーです。「血糖値が高め」の人も糖尿病対策に本格的に取り組みましょう。

早め、早めの対策が進行を防ぎます
血液検査で、空腹時の血糖値が126mg/dL以上、ブドウ糖溶液を飲み血糖値の上がり方を調べるブドウ糖負荷試験2時間値が200mg/dL以上、食事と関係なく測る随時血糖値が200mg/dL以上のいずれかに当てはまり、かつ過去1〜2カ月の平均的な血糖の状態を表すHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)が6.5%以上の場合、糖尿病と診断されます。では、これらの数値より低ければ安心かというと、そうではありません。例えば、HbA1cが5.6~5.9%の人は「血糖値が高め」といわれる、糖尿病予備群です。この段階でしっかり手を打てば、正常群に戻ることはそれほど難しくありません。
糖尿病と診断された場合も、初期であれば対策をとることで、改善することは可能です。しかし、糖尿病が進行するにつれて改善しにくくなるばかりか、合併症の危険が高まります。

糖尿病の放置は全身の合併症の危険を高めます
糖尿病の真の怖さは合併症にあるといっても過言ではありません。高血糖状態が続くと、全身の血管壁が傷つけられるので、糖尿病の合併症は全身に及びます。目の網膜の血管が損傷されると糖尿病性網膜症になり、視力が著しく低下したり、失明したりします。腎臓が損傷されると糖尿病性腎症になり、最悪の場合、透析治療が必要になります。透析治療は一般に週3回受ける必要があり、しかもいったん透析治療が始まると一生続けなければならず、QOL(生活の質)が低下します。神経に酸素や栄養を送っている末梢血管が損傷されると、糖尿病性神経障害を引き起こし、手足のしびれや痛みなどの症状が現れます。
そのほか、糖尿病があるとがんや認知症を発症しやすくなることもわかっています。

有酸素運動と筋力トレーニングが効果的
糖尿病の人、糖尿病予備群の人ともに欠かせないのが食事の改善と適度な運動です。栄養バランスのよい食事を心がけるとともに食べすぎに注意します。運動は、ウォーキングや水泳などの有酸素運動に筋肉トレーニングを加えると、より効果的です。運動の時間をなかなかとれない場合には普段の生活の中で体をこまめに動かしましょう。エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を利用する、目的の駅のひと駅手前で降りて歩くなどの工夫をするとよいでしょう。糖尿病で治療が必要と指摘された場合は必ず受診しましょう。
糖尿病について、わからないことは薬剤師に気軽にご相談ください。