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「更年期障害」に対処するには?

40歳代半ばから50歳代の女性の体には、女性ホルモンの減少という大きな変化が訪れます。しかもその変化はあまりにも激しいため、体は新しい状況についていけず、さまざまな症状を起こします。これが更年期障害といわれるもの。また、最近では男性の更年期障害にも注目が集まっています。


つらい症状のときには積極的に受診しよう

女性ホルモンは妊娠・分娩など生殖機能に関わるだけではなく、全身の環境を整える作用もあります。そのため、女性ホルモンの減少の影響は全身に及びます。現れる症状も非常に多様で、200種類以上あるともいわれます。中でもよく見られる身体の症状として、ほてり、発汗、冷え、ホットフラッシュ(突然、顔や上半身がカッと熱くなる症状)などがあります。また、イライラ、不安、不眠、疲労感、憂鬱感といった精神的な症状を訴える人も多くいます。
症状の種類や程度は人によって異なります。症状が軽くて気にならない人がいる一方で、複数の症状が出たり、症状が重くてつらい思いをする人もいます。
更年期障害の第一の原因は女性ホルモンの減少ですが、親の介護、夫婦や子どもの問題などが大きなストレスとなり、それが引き金となって発症するケースも珍しくありません。几帳面、完璧主義などの性格の人がなりやすいともいわれています。
女性ホルモンの激減という事態に体は徐々に慣れていくので、放置していても症状は次第に治まっていきます。しかし、症状がつらくて日常生活に支障が生じたり、苦痛を感じるときには、婦人科の更年期外来や女性外来などを受診しましょう。
治療には、薬物療法、カウンセリングなどの心理療法などがあります。薬物療法としては、不足した女性ホルモンを飲み薬や貼り薬で外部から補う「ホルモン補充療法」や、漢方薬、抗うつ薬などが一般に用いられます。軽度であれば、適度な運動やバランスのよい食事、ストレスをためないなどの生活の改善だけで症状が軽減することもあります。


女性の更年期障害と似た症状が男性にも

かつて更年期障害は女性特有のものと考えられてきましたが、男性にもほてりや発汗、イライラ、抑うつ感、不眠、無気力、不安など、更年期の女性と同様の症状が起こることが知られてきました。原因は、男性ホルモンの減少といわれています。ただ、女性ホルモンは更年期に急減するのに対し、男性ホルモンは20歳代をピークに低下しますが、比較的おだやかに減少する場合や、ある年齢を境に急に下がる場合など、低下の仕方にはかなり個人差があります。ホルモン量も人によって異なるため、症状が出る年齢は40歳代から60歳代前半と幅広いのが特徴です。ちょうどこの年代は社会的に責任ある立場にあるなどストレスが多いことも発症の要因になっているようです。
上記のような症状で困っているときは、泌尿器科や心療内科、精神科などを受診しましょう。男性ホルモン補充療法や漢方薬などの治療法があります。

 

 

<参考文献>
書籍:
『きょうの健康』2010年11月号、2009年3月号、2008年6月号、2007年1月号、2004年8月号・12月号、2001年4月号(NHK出版)

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