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冬のお風呂はヒートショックに注意

東京都消防庁のデータによると、入浴中の事故による救急搬送は12~3月の寒い時期に多く発生しています。また、その8割が65歳以上の方たちです。体が温まる入浴は冬の楽しみの1つですが、特に高齢の方は安全な入浴を心がけましょう。


急激な温度の変化が血圧を乱高下させる

入浴中の事故の原因を考えるうえでのキーワードが“ヒートショック”です。急激な温度変化によって、血圧が急に上昇したり、下降したりして体が不調になることをいいます。
お風呂に入るときのことを思い浮かべてみましょう。まず暖かい部屋から寒い廊下や脱衣所へ行きます。これだけの移動の間に、血管は寒さのために収縮し、血圧が上昇します。湯に入っても血圧は上がり続けますが、しばらく湯に浸かっていると血管が温められて拡張し、血圧は降下します。浴槽から上がって寒い脱衣所に行くと、血管がキュッと縮まり、血圧は再び急上昇します……。知らず知らずのうちに私たちの体内では、このような血圧の変化が起きているのです。
実はこのような血圧の変動は血管にとっては大きな負担となります。そのため、脳出血や脳梗塞、立ちくらみ、意識障害などの危険が高まります。


温度差をできるだけ少なくする工夫を

この時期、安全に入浴するにはヒートショックを防ぐことがポイントになります。部屋から浴室への移動時には、1枚分羽織るなどで温度差に配慮しましょう。脱衣所は前もって暖めておくことも忘れずに。浴室も、「浴槽のふたを開けておく」「シャワーで浴槽の湯をためる」などして、あらかじめ暖めておきます。
タイル張りの浴室は足元がひんやりします。シャワーなどで足に湯をかけたり、すのこやマットを敷いて直接肌にタイルが触れないようにするとよいでしょう。
熱い湯でかけ湯をしたり、いきなり湯に入ったりするのは危険です。ぬるめの湯やシャワーで、足、手、体と心臓から遠いところから順に温めてから、ゆっくりと湯に入ります。
湯の温度は低めの38~40℃くらいにします。また、水圧で心臓に負担をかけないために、胸の下あたりまでの半身浴がおすすめです。湯につかる時間は、10~15分間程度が目安です。


入浴後の水分補給もしっかりと

季節を問わず、注意したいことがあります。入浴後はコップ1杯程度の水を補給します。また、入浴前の飲酒は控えましょう。アルコールには血管拡張作用や利尿作用があるため、飲酒後に入浴すると、血圧が下がりすぎたり、脱水が起こりやすくなります。降圧薬を服用している人で、入浴後に立ちくらみが起きる場合は、担当医師や薬剤師にご相談を。そのほか、入浴に関してわからないこと、不安なことなどがありましたら、薬剤師に気軽にご相談ください。

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