はあとだより 6月

暑さ負けに「センソ」

《ポンプの役目》暑いと心臓がドキドキすることがあります。
頭がクラクラしてきたり、何となく息苦しくなったりもします。
そのような時、蟾酥には心臓のポンプ力を高めてくれる働きがあると言われています。

確かにそうなのですが、生薬は心臓にだけ働くわけではありません。心臓を含む東洋医学でいう「心」全体と、肝脾肺腎などその他の五臓六腑とのつながりまで考慮した「その時の身体にとってよりよい状態」を目指すのが、生薬、漢方薬、東洋医学の方向性です。

ドキドキが、血流を送り出す出力不足が原因とすると、心のポンプ力を上げると同時に、血流を統括している肺を整える必要があります。動悸と息切れがセットで現れるのはこのためです。

肺の最大の役目は呼吸です。呼吸で新鮮な酸素を取り入れて、血液をサラサラにして全身に送り出しています。二酸化炭素まみれのドロドロした血液を集めて、呼吸で再生した血液を分配するためのポンプが心臓なのです。