秋の遠い香りの記憶

香りの歳時記
秋の庶民の味覚として愛されてきた秋刀魚(さんま)。近年では不漁続きで価格も高騰し、旬の時期に何回食べられるかわからないという高級食材になってしまいました。

昔は秋の夕餉の時間になると、あちこちの家から秋刀魚を焼く匂いが漂っていたものです。秋の記憶と秋刀魚を焼く匂いは結びついていて、秋の訪れを秋刀魚の匂いから感じとれる世代は少なくなっていくのかもしれません。少しさびしい香りの思い出です。