まちの薬局つれづれ日記 第24回

2021.01.27 薬剤師コラム


日常の中で感じるあんなこと、こんなこと。
class A 薬局の仲間で、天心堂梅崎薬局(福岡県)の梅崎実さんがお届けします。

小さな薬局が輝く時代

先の見えないコロナ禍の影響。処方せんの減少やコミュニケーション方法の変化など、先行きに不安を感じることが増えていますね。それでも、私は小さな薬局には明るい未来が待っていると信じています。なぜなら、これからの時代は小さな薬局が輝く時代になるからです。

天心堂梅崎薬局が発行しているニュースレター(一部)

なぜそうなるのか。
その理由は、情報化の進展です。スマホがあれば、どんな情報でも調べられる時代になりましたよね。現代人は浴びるように情報を受け取っています。
少し前の話ですが、平成20(2008)年の総務省の統計によると、1996年〜2006年の10年間で、我々が受け取る情報は530倍になったとされています。健康に関する情報も大量に出回っていて、お客さんはその情報を受け取っています。
人は情報量が多すぎると、その情報を処理できずに混乱してしまいます。NRI(野村総合研究所)の「生活者1万人アンケート」によると、商品やサービスに関する情報が多すぎて困ると答えた方は実に7割にのぼります。商品選びの情報収集ですらこの有り様ですから、より複雑な健康に関する情報なら、いっそう多くの方が困っているはずです。
しかも、出回っている情報のすべてが正しいとは限りません。ただでさえ情報量が多すぎて処理しきれないのに、間違った情報まで混じっているとなったら、お客さんは何を信じれば良いのか分からず、右往左往することになりますよね。
その結果、お客さんは「何を言うか」よりも、「誰が言っているか」を重要視するようになりました。どの情報を信じれば良いのか分からないから、「情報を伝えてくれる人の信頼性」を重視するようになっているんです。
我々小さな薬局にとって、これはチャンスです。お客さんと良い関係性を作ることで、選ばれる理由ができるから。何か困りごとや不安なことが起きた時、真っ先に「あの薬局に行って相談しよう」と思ってもらえるわけです。
お客さんの中には「信頼できる人のお店に行きたい」という層が必ずいます。関係性を作りやすいという利を活かして、お客さんのお気に入り薬局になれば、「信頼できるお店に行きたい」というお客さんが自然と集まってきます。
お客さんと良い関係を作るためには、コミュニケーションが欠かせません。人間の心理には、接触機会が増えるほど相手のことを好きになりやすいという特性があります。コミュニケーション量を増やすことが、選ばれる理由作りに直結するわけです。

コロナ禍の中で、コミュニケーションのあり方は変化しています。直接対面するコミュニケーションは減少していますが、非対面のコミュニケーションは選択肢が増えています。
当薬局では、ニュースレターなどの手紙によるアナログなコミュニケーションを増やしているほか、LINE公式アカウントを活用したコミュニケーションも準備しています。また補助金を活用して、YouTubeやZOOMを活用したオンラインセミナーにもチャレンジする予定です。
新しい生活様式に合わせたコミュニケーションを始めたいですね!

text by 梅崎 実(うめざきみのる)

福岡県柳川市で調剤薬局と漢方薬店を運営する天心堂の副社長。顧客との固いつながりを武器に大手に負けない経営を実践中。経営コンサルタントの国家資格「中小企業診断士」として、売上UPや補助金申請支援も行う。