セルフメディケーション税制を上手に利用

2019.12.11 薬局で相談しよう

イラストレーション:堺直子


年が明けると確定申告の時期がやって来ます。レシートなどを整理し始めている方も多いのではないでしょうか。その中に、薬局で医薬品を購入したレシートがあったら、セルフメディケーション税制を利用できるかもしれません。

医療費控除との同時利用はできません
日ごろから自分の健康状態や生活習慣に配慮し、定期的に健康診断や予防接種を受けるなど、自分で自分の健康管理をしようという考え方をセルフメディケーションといいます。医師にかかるほどではない、ちょっとした身体の不調などの場合に、市販薬で早めに対応することもセルフメディケーションにつながります。こうしたセルフメディケーションに取り組んでいる人を応援しようと、2017年1月から始まったのが「セルフメディケーション税制」です。1年間に支払った医療費の自己負担額の合計が10万円(所得によって異なります)を超えた場合、確定申告を行うことで所得控除を受けられる医療費控除という制度があります。一方、セルフメディケーション税制は1万2000円(税込)を超えれば所得控除を受けられます。ただし、医療費控除とセルフメディケーション税制を同時に利用することはできません。どちらを利用したらよいか、ウェブサイト※1などで調べてみるとよいでしょう。

対象はスイッチOTC医薬品
医療費控除の対象となるのが治療または療養に必要な医薬品、治療費、通院の交通費などであるのに対し、セルフメディケーション税制の対象はスイッチOTC医薬品に限られます。スイッチOTC医薬品とは、元々は医療用で医師の処方がなければ使用できなかった成分が配合され、薬局で購入できるようになったOTC医薬品です。代表的なものに、胃酸分泌を抑える作用があるH2ブロッカーを含む胃腸薬があります。どのスイッチOTC医薬品がセルフメディケーション税制の対象になっているかは厚生労働省のウェブサイト※2で知ることができます。また、購入した医薬品が対象である場合、レシートに★印などが、またパッケージには識別マークが記載されています。もう一つ、セルフメディケーション税制を利用するには、特定健康診査または特定保健指導、予防接種、定期健康診断、健康診査、がん検診のいずれかを受けていなければなりません。確定申告の際には、それを証明する書類を用意する必要があります。

医療費の領収書や医薬品購入のレシートは必ず保管
まずは、今年1月1日からの医療費の領収書や購入した医薬品のレシートを整理してみましょう。今年はレシートを捨ててしまったという人は、来年1月1日から必ず保管するようにしましょう。なお、セルフメディケーション税制についてわからないことがあるときは気軽に薬剤師におたずねください。

※1『知ってトクする セルフメディケーション税制』(日本一般用医薬品連合会)
https://www.jfsmi.jp/lp/tax/
※2『セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について』(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000124853.html