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ゆきさん薬局

2019/06/16

電話でクラバモックスの相談を受付けました

~中耳炎になってしまった!~

いつも明るい田中さん、今日は三番目のお嬢さんと来局されました。
瑠佳ちゃんが、耳を押さえながら入ってきました。

ゆきさん
「あれ、瑠佳ちゃん今日幼稚園は?」

瑠佳ちゃん
「今日ね、痛いから幼稚園休んだの!」

ゆきさん
「耳を押さえているから、中耳炎かな?」

田中さん
「そうなんですよ。来週、イベントがあるのに困っちゃう」

ゆきさん
「それは困りましたね。すぐに用意しますね」

田中さん
「はい、よろしくお願いします」

ゆきさん、薬を揃えて田中さんをお呼びしました。
「田中さん、お薬揃いましたよ」


~クラバモックスの飲み方~

ゆきさん、クラバモックスの個別の包装を見せながら話し始めました。
「今日は中耳炎によく利用される抗生物質が出ています」

田中さん
「あら、これは見たことが無いわ」

ゆきさん
「そうでしたね。クラバモックスは個別の包装に入っています。この薬、粉がとても細かいんですよ」

田中さん
「いつものドライシロップのように、口に入れて飲ませればよいんでしょ」

ゆきさん
「瑠佳ちゃん、薬飲むの上手だから、それでも良いんだけど、粉が細かいんでむせることがあります」

田中さん
「あら、そうなの。その場合はどうやって飲ませるのが良いんですか?」

ゆきさん
「粉を少量の水に混ぜて、と言っても混ざらないんですけど。少量の水に入れてかき混ぜて飲ませてあげて下さい」

田中さん
「もう一つ薬が出ているけど、こちらは何ですか?」

ゆきさん
「クラバモックスは、飲むと結構で下痢する人が多いんですよ。だから、下痢を予防する整腸剤が出ています」

田中さん
「整腸剤なら、内科でもらったのがあるけど、それではダメなの?」

ゆきさん
「今日の整腸剤は、ビオフェルミンRと言って、普通のビオフェルミンとは違うんです。ビオフェルミンはいわゆる整腸剤ですが、Rは抗生物質が腸内細菌に悪さをするのを防ぐ抗生物質専用の整腸剤なんです」

田中さん
「じゃあ、これを飲んだ方が良いのね」

ゆきさん
「はい。面倒でしょうから、クラバモックスとビオフェルミンRを一緒に混ぜて、水に溶いて飲ませて下さい」

田中さん
「わかったわ。早速飲ませてみます」

ゆきさん
「早く治すためにも、すぐに飲ませてあげて下さい」

田中さん
「でも、朝夕食前になっているから、今晩の夕食前に飲ませれば良いかしら?」

ゆきさん
「今、10時過ぎで朝食も終わっているとは思いますが、今飲ませてあげて下さい」

田中さん
「食前でなくても、大丈夫なの?」

ゆきさん
「このクラバモックスの食前は、あまり大きな意味のある食前ではないんです」

田中さん
「どういうことですか?」

ゆきさん
「食前は、空腹時でないと吸収が悪くなるので、食前となっていることが多いのですが、クラバモックスの場合は、データのとり方が食前だっただけで、あまり根拠がないみたいなんです」

田中さん
「それじゃあ、食後でもかまわないの?」

ゆきさん
「メーカーに質問したら、『データーが無いからわかりません』となるけど、理論上では食前、食後のどちらでもそれほど変わらないと思いますよ」

田中さん
「どうもありがとう。帰って早速飲ませます」


~下痢が止まらない!~

翌日田中さんからの電話を、薬剤師スタッフの真優ちゃんが受けました。

田中さん
「ゆきさん薬局ですか。先日もらった、クラバモックスという薬で娘が結構下痢をしたのですが、飲ませ続けた方が良いですか?」

真優ちゃん
「えー、瑠佳ちゃん下痢したんですか。それはかわいそうな。クラバモックスの副作用ですよ。すぐに止めさせて上げてください」

横で聞いていたゆきさん、電話相手の田中さんにも聞こえるように、あわてて真優ちゃんを呼びました。
「真優ちゃん、作成中の薬作らないと、他の薬とわからなくなるから、こっちを先にやって。電話は変わるから」

真優ちゃん、不思議そうな顔をしながら、田中さんに「すいません、仕事が中途半端になっているので、電話変わりますね」と言って、ゆきさんに電話を渡しました」

ゆきさん
「田中さん、ごめんなさい。お電話変わりました」

田中さん
「ゆきさん、娘がクラバモックスを飲んでかなり下痢しているんですけど。止めた方がよいかしら?」

ゆきさん
「どれくらいひどい下痢なんですか?」

田中さん
「水状までにはなっていないけど、頻繁にトイレに行くんです」

ゆきさん
「そうですか。それはかわいそうな事になりましたね。今、うちのスタッフが話したようにクラバモックスの下痢の可能性が高いですね」

田中さん
「やはり、中止した方がよいかしら?」

ゆきさん
「処方された手塚先生ともお話したことがあるのですが、多少の下痢でも飲んでももらいたい場合があるんですって」

田中さん
「そうなんですね」

ゆきさん
「薬には必ずその期待される効果がありますが、なってほしくない副作用も生じてしまうことがあります。この効果と副作用のバランスを見ながら、我々は治療をしていくんです。中耳炎の場合には、耳の中なので、医師に見てもらわないと何とも言えないんです。改善している、もしくはそれほどひどくなければ、クラバモックスでなくても何とかなるとなるし、悪ければ下痢止めを飲んでもらってでも、治療継続したいとなります。だから、今回の件は医師にもう一度診てもらって相談してください」

田中さん
「そうよね。副作用があったから治療しなくてよいということにはなりませんものね」

ゆきさん
「はい」

田中さん、ゆきさんにお礼を言って早々に耳鼻科に向かいました。

ゆきさん、真優ちゃんに話しかけました。
「子供がかわいいそうだから、薬を止めるというのは気持ちはわかるけど、中止して中耳炎が悪化したら、もっとかわいそうな事になるんだよ」

真優ちゃん
「そうですね、すいません。しかも私のことを立てて、お薬作成中といっていただいたのですね。ありがとうございました。」

ゆきさん
「いや、本当に作成中だよ。ほら、分包機が音を立てて、真優ちゃんを呼んでいるよ。早く次の患者さんの粉薬作ってあげてね」

ゆきさんと真優ちゃん、二人ともうれしそうに目を見合わせていました。

登場人物

★田中 恵子
田中 恵子(たなか けいこ) 45歳 女性
専業主婦
毎日子育てに追われている

田中 瑠佳(たなか るか) 5歳
恵子さんの三女

※ゆきさん薬局の物語に登場する人物は、フィクションです

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