https://www.e-classa.net/tsurusan/blog/みなさんは調剤薬局を、たんに「処方箋に書いている通りの薬をもらう場所」だと思っていませんか?  『ゆきさん薬局』の薬剤師、ゆきさんのエピソードをもとに、薬を出す以上の、かかりつけ薬局の役割をご紹介します。 ゆきさんは、「薬で病気を治すだけでなく、患者さんを笑顔にして薬局を送り出すことが大事」をモットーに、処方箋通りに薬を調剤するだけではなく、飲み合わせや飲み方のアドバイスをしたり病院をおススメしたり…親身になった接客で地元に愛される薬局を運営しています。 かかりつけの薬局が無い方は、薬剤師ってこんなことまでアドバイスしてくれるんだ! と驚かれるかもしれません。薬局をもっと身近に感じていただけたり、薬剤師に気軽に相談できたりするきっかけを与えられるよう、ゆきさんの奮闘ぶりをお届けいたします。Pharmacy/pc脊柱管狭窄症の手術https://www.e-classa.net/tsurusan/blog/201907141138.htmlhttps://www.e-classa.net/tsurusan/blog/201907141138.html~手術はどのように決断したの~ おしゃべり好きで、人の良い大丸さんが、いつものように明るく薬局に入ってきました。 表情は明るいものの、坐骨神経痛で悩んでいて、今日もその愚痴から始まりました。 大丸さん 「ゆきさん、鎮痛剤は効かないし、漢方薬や違う痛み止め等、色々試したけど、ピンと来ないんだよね」 ゆきさん 「ドクターは、何て言っているの?」 大丸さん 「『脊柱管狭窄症だから、そろそろ手術しか無い』と言うんだよね。それで、『どれくらい治るんですか』と聞いても、『何とも言えない』と言うんだよ。どう思う?」 ゆきさん 「確かに、手術して必ず痛みやしびれがとれるわけではないみたいですよ」 大丸さん 「それじゃあ、実験台みたいで手術する気にならないよな。そういえば、ゆきさん手術したって聞いたぞ。どうやって決断したの?」 ゆきさん 「私もMRIを撮って脊柱管狭窄症と言われました。しかし、薬局で脊柱管狭窄症があって手術をしても、良くなっていない人も当然いるのですが、ダメだった人も多くいるなと感じていました。そこで、手術前にやれることを、やるだけやってから手術を決めたんです」 大丸さん 「どんなことをやったの?」 ゆきさん 「大丸さん、私は、腰痛の原因には大きく3つあると思います。 ・筋肉が緊張していわゆる肩こりと同じ様な状況、もしくは腰回りの筋肉が弱っていて脊椎を支えられない状況が原因の場合です。これらは筋肉をリラックスするもしくは鍛える運動療法で治るはずです。 ・2つ目はストレスが原因で起こる痛みの場合は、薬物療法を含む精神療法で治します。 ・最後に、器質的な問題、つまり骨等が神経にさわるような状態の場合。これは、手術でないと治らないと思います」 大丸さん 「ふーん」 ゆきさん 「最初の2つが保存療法と言われるもので、私がやるだけやったということです。薬は、鎮痛剤、慢性疼痛治療剤を試したけど、効果のわりには、眠気が出て仕事にならなくなったので断念しました。運動も、ストレッチと腰回りの腹筋、背筋を鍛えることを半年間は続けたのですが、多少はましになったものの、痛みが取れなかったんであきらめたんです」 大丸さん 「なるほどね。じゃあ、俺も長く苦しんでるから手術を考えようかな」 ゆきさん、笑いながら答えました。 「そうですね。今まで色々な薬も試されているし、いつもここで愚痴が出る程だから、そろそろ手術を考えた方が良いかもしれませんね。大丸さんには当てはまらないとは思いますが、脊柱管狭窄と言われても、自覚症状もないのに手術をする必要はないと思います」 ~手術直後はどんな感じ~ ゆきさん 「手術を受ける前に知っておいた方が良いと思うことを、お話しておきますね」 大丸さん 「是非、よろしくお願いします」 ゆきさん 「病院によりますが、手術は痛みしびれが激しくないと、薦められません。それは手術後の負担やリスクを考えてそう言われるんです」 大丸さん 「まあ、そうだろうね」 ゆきさん 「実は私もそうだったんですが、手術を決断してからは、手術後すぐに良くなると勘違いしがちなんです」 大丸さん 「そりゃ、期待するよね」 ゆきさん 「手術方法は、切開手術と負担を少なくした内視鏡手術がありますが、いずれにしても背中から切開をして、骨や靱帯を削ったり、すべり症があればボルトで固定したりします。術後は切開した傷が治るまでと、脊椎が安定するまで安静にしなければいけません。痛みが落ち着いてきたら、リハビリを行います。その期間を考えると、完治するのに1か月から3か月は覚悟しておいた方が良いです」 大丸さん 「今の話を聞いて、頭の中では理解できても、いざ自分が手術すると期待するんだろうね」 ゆきさん 「そうですよ。手術直後は、手術で良くなったと期待するよりも、とりあえず問題なく手術を終えたことを喜びましょう。きちんと手術をしてもらっても、全身麻酔などによるトラブルなんてこともありえますから」 大丸さん 「そうだね。楽観的にだけでなく覚悟して手術を受けるようにするよ」 ~どれくらいで手術の効果を判断できるの?~ 大丸さん 「それで、どれくらいの期間で手術の効果を実感できるの?」 ゆきさん 「痛みの感じ方は個人差があるので、何とも言えませんが、私の場合は、手術直後に痛みがありました」 。 大丸さん 「え、痛かったの?」 ゆきさん 「そりゃ、痛いですよ。手術して切っているんだから」 大丸さん 「なんだ、その痛みか。それで、腰痛はどうなったの?」 ゆきさん 「腰痛も2週間くらいありました。ビリっとすることがあったので、まだ治っていないのかと心配しましたよ。でもリハビリをしてそれも無くなりました」 大丸さん 「ということは、2週間後には消えてきたということ?」 ゆきさん 「はい。私の場合は2週間で痛みが消えてくれました。たぶん腰椎を支える力がない間、神経をさわったのだと思います」 大丸さん 「痛みが消えない場合は、どうなるんだい?」 ゆきさん 「術後の痛みを感じる原因は、主に4つ考えられると思います。手術による痛み、神経が痛んでしまって修復できていない痛み、頭で痛みを覚えてしまっている痛み、脊柱管狭窄が原因でない痛みです」 大丸さん 「なるほど」 ゆきさん 「手術の痛みは、傷が治るまで待つしかないです。神経が痛んでいる場合は、神経を修復する薬や温熱療法等で血行を良くして治療します。頭で覚えてしまっている痛みは、抗うつ剤を含む薬物療法や、α波を出すような発声、視覚に訴えるなどの精神療法が一番でしょうね。最後の脊柱管狭窄症が原因ではない痛みは、他の原因を調べて治療することになります。私の場合は、腰痛は消えましたが、股関節の痛みだけ残っています。それでも、前と比べてとても楽にありました」 大丸さん 「ふーん。わかりやすい説明ありがとう」 ゆきさん 「いえいえ、自分が話しかったことを聞いてもらえてうれしかったです。こちらこそ、ありがとうごいざいました」 登場人物 ★大丸 義之 大丸義之(だいまる よしゆき) 69歳 男性 脊柱管狭窄症 話し好きで明るい性格 ※ゆきさん薬局の物語に登場する人物は、フィクションです Sun, 14 Jul 2019 11:38:22 +0900ペニシリン系の服用で、ピルでの避妊失敗例がhttps://www.e-classa.net/tsurusan/blog/201906221558.htmlhttps://www.e-classa.net/tsurusan/blog/201906221558.html~扁桃腺炎で抗生物質~ 3日程前に来られた患者さん、鈴木さんがマスクをして入って来られました。 「こんにちは」と真優ちゃんの声が鳴り響きます。 鈴木さんも、つらそうにしていたのに、少しほほを緩めながら「こんにちは」と言って入ってこられました。 真優ちゃん 「良くなっていないようですね?」 鈴木さん 「そうなの。先生が薬を変えると言っていたわ」 真優ちゃん、処方箋を預かり、薬歴をパソコンで確認しました。 「あ、本当ですね。抗生物質が変わりました」 鈴木さん 「風邪には抗生物質を使わないと聞いたけど、また抗生物質が出るのですか?」 真優ちゃん 「鈴木さん、具体的に症状はどんな症状が出ていますか?」 鈴木さん 「喉だけが、食べ物が飲みこめないほど痛いんです」 真優ちゃん 「喉の病気には色々ありますが、原因によって治療が異なります。いわゆる風邪と言われるものは、ウイルスによるものが多いのですが、細菌によるものもあります」 鈴木さん 「どうやって見分けるのですか?」 真優ちゃん 「詳しくは細菌を見極める検査をもあるのですが、それがわかるころには病気が進んでしまうので、医師の経験値で判断していることも多いです」 鈴木さん 「経験値て、何を見ているの?」 真優ちゃん 「ウイルスの場合は、喉の痛みだけでなく、咳や鼻水などの症状が一緒に起こることが多いんです。一方、喉が痛いなど症状が1つの場合には、細菌性の事場合が多いんです」 鈴木さん 「私の場合は、喉だけが痛いので細菌性の可能性が高いんですね」 真優ちゃん 「そうなんです。特に鈴木さんのおかかりの耳鼻科では内視鏡で見ているので、喉の腫れ具合、膿があるかなどがわかるので、分かりやすいんだと思います」 鈴木さん 「それでは、私はやはり抗生物質を飲んだ方が良いのですね」 真優ちゃん 「はい。それではお薬を準備しますね」と笑顔で返事をしました。 ~抗生物質がなぜ変わったの?~ ゆきさんは、真優ちゃんのやり取りを聞きながら、鈴木さんの薬歴を見ていました。 ゆきさん 「真優ちゃん、薬の準備が出来たら僕がお薬を出すよ」 真優ちゃん 「はい、わかりました」と答えて、薬を準備してゆきさんにお願いをしました。 ゆきさん 「鈴木さん、お薬のご用意が出来ました」 鈴木さん 「はい、お願いします」と言ってゆきさんのいるカウンターの前に座りました。 ゆきさん 「前回の薬はちょうど終わっていますね」 鈴木さん 「今朝で、飲み終わりました」 ゆきさん 「先ほど、うちの石原が説明した通り、抗生物質が出ています。前回とは違う抗生物質ですが、今まで同様、毎食後服用になります。前回の薬を今朝まで飲んでいたので、昼食後から開始してください」 鈴木さん 「ところで、何で抗生物質が変わったんですか?」 ゆきさん 「抗生物質を変更するには、大きく二つの理由があります。今回は、症状があまり改善していないのですよね」 鈴木さん 「えー」 ゆきさん 「症状の改善が見られれば、もう少し同じ薬を利用して様子を見ましょうとなりますが、改善していないので変更したのだと思います」 鈴木さん 「それは理解できるんですが、他に理由があるんですか?」 ゆきさん 「鈴木さん、『耐性』て聞いたことありますか?」 鈴木さん 「はい、何となく」 ゆきさん 「耐性とは、病原菌が薬に慣れてしまって効かなくなってしまうことです。抗生物質は同じものをずっと利用していると、効かなくなってしまうんです。だから、特殊な場合を除いて長く利用しないんです」 ~ペニシリン系で避妊に失敗例が!~ ゆきさん、薬歴を見返しながら質問しました 「鈴木さん、そういえば低用量ピルを飲まれていますね」 鈴木さん 「はい。飲み合わせでも悪いんですか?」 ゆきさん 「別に飲み合わせは問題ないですよ」 鈴木さん 「じゃあ、一緒に飲んでいて問題ないわね」 ゆきさん、「飲み合わせは問題ないですよ」と答えてから、話しにくそうに話し始めました。 「鈴木さん、該当しないかもしれないけど、知識だけ入れておいてください。ピルを避妊目的で飲んでいるときに、ペニシリン系の抗生物質を飲むと、避妊に失敗した例があるんです。原因は分からないし、一緒に飲んで何か害があったということもありません。ただし、そういう副作用報告があるんです。副作用は1件でもあれば、副作用として報告されます」 鈴木さん 「えっ、そうなんですね。これを飲んでいる間は、避妊に気を付けなければいけないのですね」 ゆきさん 「はい。こういうことは男の私からは言いにくいんですけど、知っていると知っていないとでは大違いなので、一応お話しさせていただきました」 鈴木さん、嬉しそうに答えました。 「どうもありがとう。ゆきさんから薬をもらうと色々教えてもらえて助かるわ」 ゆきさん 「患者さんの笑顔が、僕への一番のご褒美ですから。どうもありがとうございました」 鈴木さんが薬局を後にすると、真優ちゃんがゆきさんに話しかけました。 「ゆき先生が自分で出すと話されていたから、何かと思っていましたが、ペニシリン系で避妊に失敗なんてことがあるんですね。今まで知りませんでした」 ゆきさん 「僕も最近、薬剤師仲間との飲み会で初めて知ったんだ。色んな事があるんだね」 真優ちゃん 「ゆき先生は、飲み会も勉強の場なんですね」 ゆきさん 「あーそうだよ。今日もいっぱい飲まなきゃ」 真優ちゃん 「ゆき先生、患者さんにならないでくださいよ」 「ここに良い薬がたくさんあるから大丈夫だよ」と笑って話すゆきさんでした。 登場人物 ★鈴木 優衣 鈴木 優衣(すずき ゆい) 29歳 扁桃腺が腫れることが多い ピルを常用している ※ゆきさん薬局の物語に登場する人物は、フィクションですSat, 22 Jun 2019 15:58:45 +0900ねんざになったら、湿布より先にやってほいしいことhttps://www.e-classa.net/tsurusan/blog/201906162312.htmlhttps://www.e-classa.net/tsurusan/blog/201906162312.html~ねんざをしたので、湿布をください!~ 前にチラージンの事で相談をしていた林智子さんの長男、亮太君が「湿布をください」と言って入ってきました。 ゆきさん、足を引きづっている亮太君を見ながら話しかけました。 「足を痛そうにしているけど、どうしたの?」 亮太君 「サッカーで足をひねって、ねんざしました。顧問の先生に、『今日は練習にならないから、湿布を貼って帰れ』と言われて、とりあえず学校に有った湿布を貼ってきました」 ゆきさん 「それしかしていないの?」 亮太君 「はい。お母さんが湿布はうちに無いから、買っておいでと言われて」 ゆきさん 「いつ、怪我をしたんだい」 亮太君 「足をくじいて家に帰って、すぐにここに来たから、1時間もしていないと思います」 ゆきさん 「そうか。じゃあ、そんなに時間はたっていないんだね。それより、ここに入ってきたときより、腫れているんじゃない」 亮太君 「あ、本当だ」 ~RICE処置が基本~ ゆきさん、お店の冷蔵庫から氷を出してきて、亮太君の足首を冷やしながら話し始めました。 「亮太君、スポーツをしているんだから、怪我をした時の対処法を覚えておくと良いよ」 亮太君 「はい」 ゆきさん 「けがをした時は、RICE処置というのが基本なんだよ」 亮太君 「えっ。ご飯を食べるんですか?」 ゆきさん、笑いながら答えました。 「違うよ。ご飯食べても治らないよ。英語で書いた処置方法の頭文字を取ってRICE処置というんだよ」 亮太君 「そうなんだ。で、どうするんですか?」 ゆきさん 「Rest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)と応急処置時に必要な4つの処置の頭文字をとってRICE処置と呼びます。これらをきちんと行うことで、治療を早めることができるんだよ」 亮太君 「ふーん」 ゆきさん 「まずはケガしたところを動かさず、安静に保つようにします」 亮太君 「えー。どれくらい足首が動くか心配で、ぐりぐり回しちゃった」 ゆきさん 「それは良くないよ。本当に治りが遅くなるから、気をつけてね。次にケガをしたところとその周りを、氷で冷やします」 亮太君 「シップを貼った方が、効果があるんじゃないの?」 ゆきさん 「シップよりも冷やす方が、効果が高いんだよ。冷やすことによって痛みを軽減できるし、腫れや炎症を抑えることができます。ただし、冷やしすぎに注意が必要だよ。15分程度冷やして、痛みが鈍ったらはずし、また痛みを感じ始めたら冷やすように繰り返してください」。 亮太君 「だから、いま冷やしてくれているんですね。冷やしすぎたら、どうなるんですか?」 ゆきさん 「肌がしびれるほど冷やしたら、凍傷になってしまうから、15分くらいで休む必要があるんだよ。次にケガをしたところを圧迫するのが良いんだけど、これは自分でやるのは難しいから、接骨院とかでテーピングしてもらうのが良いかな」 亮太君 「じゃあ、自分ではとにかく急いで冷やすんですね」 ゆきさん 「そうだね。最後に心臓より高い位置を保った方が良いよ。そうすることによって、腫れを防げるんだよ。今日だけは足を高くして寝てごらん」 亮太君 「どうもありがとうございます。冷やしたら、痛みが引いてきました」 ゆきさん 「一時的に痛みが引いているだけだから、2日間くらいはRICE処置を続けられるなら、続けた方が良いよ」 ~整形外科で確認して~ 亮太君 「それで、湿布はどれが良いですか?」 ゆきさん 「今日はとにかく冷やした方が良いから、湿布はいらないよ。それよりも整形外科に行って、レントゲンを撮る必要があるか、相談しに行きなさい。見た感じ大丈夫だとは思うけど、一応確認しておいた方が良いともうよ」 亮太君 「やはり病院に行った方が良いですか?」 ゆきさん 「行って何もなければ安心できるし、何かあって後悔するよりは行っておいた方が良いと思わないかい」 亮太君 「そうですね」 ゆきさん 「その時に湿布も処方してもらうと良いよ。湿布も今は色々あるから、最初はパップ剤にして、少し圧迫しながら固定する感じにして、数日たってからは歩きやすいテープ剤にしてもらうと良いよ」 亮太君 「はい」 ゆきさん 「それから、整形外科の後には接骨院に行って良いか医師に相談してごらん。接骨院の方が、アイシング、テーピングが得意の人が多いようだから」 亮太君 「お母さんが、ドラッグストアーよりも高いかもしれないけど、ゆきさん薬局で相談してきなと言われて来たんだけど、結局何も買わないですいません」 ゆきさん、笑いながら応えました。 「つまらない心配をしないで、早く整形外科に行きなさい。お母さんには、今度買い物したときに、2割増しでもらうからと言っておいて」 亮太君「本当に、ありがとうございました。お母さんに伝えておきます」と言って、うれしそうに帰っていきました。 登場人物 ★林 亮太 林 亮太(はやし りょうた) 13歳 林智子さんの長男 サッカーをして、ねんざをしてしまった ※ゆきさん薬局の物語に登場する人物は、フィクションですSun, 16 Jun 2019 23:12:26 +0900早朝高血圧の治療そのものを考えましたhttps://www.e-classa.net/tsurusan/blog/201906162311.htmlhttps://www.e-classa.net/tsurusan/blog/201906162311.html~朝の血圧が高い!~ 2か月に一度、高血圧薬の処方箋をお持ちになる山田さんが来局されました。 以前、忙しくて2週間に1度の受診ができず、薬をもらうのをあきらめていた山田さん。 ゆきさんに薦められて正直に頻回の受診が難しいことを医師に伝えて、きちんと薬を飲めるようになりました。 それ以来、山田さんは何か相談事があると、受診前にゆきさんを訪れます。 今回は薬を飲んでいても朝の血圧が高いので、ゆきさんに相談することにしました。 山田さん 「最近、朝の血圧が高いんだよね。前にゆきさんに教えてもらったように大きく血圧が変動しないようにしているんだけど、どうしても朝の血圧が高いんですよ」 ゆきさん 「お薬は、夜寝る前に飲むようになっていますが、そのように飲んでいますか?」 山田さん 「はい」 ゆきさん 「そうですか。朝が高い人は寝る前に飲んだ方が、朝に効果が出てくるので良いのですが、きちんと飲んでいるようですね」 山田さん 「薬を増やしてもらった方が良いのかな?」 ゆきさん 「そうですね。薬が効いていないことになるので増やしてもらった方が良いかもしれませんが、もう少し状況を伺わせてください」 山田さん 「いいですよ」 ゆきさん 「血圧が高くなってきたのは、寒くなってからですか?」 山田さん 「ゆきさんの知ってのとおり、きちんと薬を飲むようになって血圧が安定していたのですが、ここのところ寒くなって、朝の血圧が高いんです」 ゆきさん 「寝ている時に暖房は入れていますか?」 山田さん 「電気代がもったいないから、暖房は入れてません」 ゆきさん 「今度、暖房を入れて寝てみたらいかがですか。寒くなると緊張して血圧は上がりやすくなります。冬だけ薬を増やす人もいるくらいですよ」 山田さん「それは、良いことを聞いた。試してみます」とうれしそうに答えて帰っていきました。 ~よく眠れていますか?~ 2ヵ月後、高血圧の薬がなくなった山田さんが、再度薬局を訪問しました。 山田さん 「夜に暖房を入れて、最初のうちは朝の血圧が下がったのですが、また上がってきてしまって」 ゆきさん 「そうかあ、下がったのは最初だけだったんですね」 山田さん 「どうしたんだろうね」 ゆきさん 「そういえば、最近睡眠薬を時々もらうようになっていますが、よく眠れていますか」 山田さん 「ええ。変な夢を見て目を覚ますことがあるし、考え事をして目が冴えてしまうことも多いんです」 ゆきさん 「それに、睡眠薬を飲んでいるのですね」 山田さん 「はい」 ゆきさん 「睡眠薬を飲んだ日は、血圧はいかがですか?」 山田さん 「そう言われれば、睡眠薬を飲んだ日は血圧が低い気がします。そうかあ、睡眠と関係していたのか」 ゆきさん 「そうみたいですね。ストレス、過労はどの病気でも悪化させます。質の良い睡眠がとれていないと、体に悪影響は出るでしょう」 山田さん 「睡眠薬を毎日飲んだ方が良いのかな?」 ゆきさん 「眠りが浅かったり、眠りにくい時は睡眠薬に頼るのも一案だと思いますよ」 山田さん 「でも、睡眠薬を毎日飲むのは抵抗があるなあ」 ゆきさん 「睡眠薬で疲れが取れるなら、私なら飲んでおきますよ。睡眠薬で一番怖いのは量が増えていくことです。効かないと思って勝手に量を増やしてくと大変なことになります。量を守って飲んでいる分には問題はありませんよ」 山田さん 「それでは、睡眠薬を飲んでいた方が良いのですね」 ゆきさん 「それで血圧が安定するのなら、飲んでおいた方が良いと思います。ところで、山田さん、血圧は記録していますか?」 山田さん 「いや、測っているだけで特に記録はしていません」 ゆきさん 「それでは、この血圧手帳に記録してください。次回は医師と私にも見せていただけますか」 山田さん 「あれ、1日2回も測るの?」 ゆきさん 「はい、1回目は朝起きてから1時間以内、朝食前で排尿後、2回目は寝る前、入浴、夕食直後を避けて測るようにしてください。それから、測る前には深呼吸をしてから、腕と心臓の高さを同じにして測ってください」 山田さん 「はい、わかりました。この手帳もらってよいの?」 ゆきさん 「はい、お持ちください」 山田さん 「ありがとう。試してみます」 ~血圧手帳で解決~ さらに1ヶ月ほどたって、山田さんが来局されました。 山田さん 「睡眠薬を飲んでみたけど、よくわからないなあ」 ゆきさん 「血圧手帳に記録されましたか?」 山田さん 「あーこれね。記録してみました」 ゆきさん 「次のページにグラフがあるので、そこに記入してみるんです」と話しながら記入していきました。 山田さん 「なるほど」 ゆきさん 「血圧は変動してあたり前です。グラフにするとよくわかるんですが、高い日もありますが、山田さんが思っているほど高い日は多くないですよ」 山田さん 「本当ですね。高いことを意識しすぎていたのかな」 ゆきさん 「そうみたいですね。もしかしたら、前から思っているほど高くなかったのかもしれませんよ」 山田さん 「そうかもしれないね」 ゆきさん 「変動があるのは、元気に生きている証拠ですよ」 「まだまだ若いということだね。ありがとう」と言って嬉しそうに帰る山田さんでした。 登場人物 ★山田 孝雄 山田 孝雄(やまだ たかお) 61歳 高血圧症できちんと薬を飲んでいる 最近、朝の血圧が高くて困っている ※ゆきさん薬局の物語に登場する人物は、フィクションですSun, 16 Jun 2019 23:11:24 +0900ドクターショッピングを勧めませんhttps://www.e-classa.net/tsurusan/blog/201906162310.htmlhttps://www.e-classa.net/tsurusan/blog/201906162310.html~調子が悪いから、病院にも行きたくない!~ いつもチラーヂンを取りに来られる林さんが、薬局に来られました。 林さん 「今日は、何だかつらいな」 ゆきさん 「どうされましたか?」 林さん 「最近、すぐに疲れるの」 ゆきさん 「先生にはご相談なさったのですか?」 林さん 「えー話したけど、聞いているのか何だかわからなくて、『いつものお薬出しておきます』で終わってしまったの。調子が悪いから、病院にも行きたくないわ」 ゆきさん 「最近は、血液検査をされましたか?」 林さん 「今日血液を取ったので、次回結果が分かるみたい」 ゆきさん、患者さんが考えていること、思っていることを代弁することがあります。 「先生に不信感があるなら、病院を変えた方が良いですよ。病は気からだから。気の合う先生に診てもらうことが一番です」 ゆきさんは、性格的に合わない場合は、医師を変える事を薦めることがしばしばあります。 しかし、いわゆるドクターショッピングと言われるあちこちの病院に行くことを薦めません。大抵の場合、結果が変わらないからです。 今回は、医師を良く思っていない状況で弁護しても聞く耳を持たないと考えて返事をしました。 林さん、自分が思っていることを言ってくれたという表情で、話しました。 「本当にそうなのよ」 ゆきさん 「でも、今日血液検査をしたんですよね。結果が出てからでも遅くないので、それから考えましょう。いずれにしても検査結果を見ないと判断出来ませんよ」 林さん 「それもそうね。検査結果を聞いたら、また相談に来ます」 ~原因を確認して、まずは治療をしましょう~ 1週間後、林さんが来局されました。 ゆきさん 「検査結果は、いかがでしたか?」 林さん 「チラージンの量を増やすと言っていたわ」 ゆきさん 「やはり、甲状腺機能が低下していたんですね。原因がわかって良かったですね」 林さん、まだ先生への不信感がぬぐえていなかったようです。 「そう。これで大丈夫かしら?」 ゆきさん、薬をお渡しする時は、より効果が出ることを心がけて渡すようにしています。効くかもしれないではなく、これで治ると希望を持てるようにお渡しします。 「甲状腺機能は基本的に血液検査で判断します。甲状腺ホルモンの量を増やせば、きっと疲れやすいのも取れるはずですよ。飲み忘れない様に飲んで、様子を見てください」 林さん 「そうね。試す前から大丈夫かしら?と考えても仕方無いわね。試してみるわ」 ゆきさん 「心配していたら、心配していた通りになるから、何も考えずに、まずは薬を飲んで治療するですよ!」 林さん 「ゆきさんに話したら心配が吹っ飛んだわ。ありがとうございます」 ゆきさん 「じゃあ、また来月結果を教えてください」 ~今までの経緯がわかる先生に、お任せした方が良いですよ~ さらに1ヶ月が過ぎて、林さんがうれしそうに薬局に入ってきました。 「ゆき先生、何だか調子良くなりました」 ゆきさん 「それは良かったじゃない。やはり甲状腺ホルモンを増やしたら調子良くなったんですね」 林さん 「お陰さまで、ありがとうございます」 ゆきさん 「僕はこの処方元の先生にお会いしたことがないので、良く分からないけど、きちんと診てくれているじゃない。今までの林さんの話から、ぶっきらぼうには感じるけど」 林さん 「そうなの。ぶっきらぼうな先生よ」 ゆきさん 「林さん、実は甲状腺ホルモンの調節は慎重にやらないといけないんです」 林さん 「そうなんですか」 ゆきさん 「甲状腺ホルモンが多すぎると、骨量が減少したり、心房細動と言われる不整脈を起こす確率を上げたりします。一方、不足していると精神機能が低下したり、動脈硬化を進めたりします。だから調節が重要です」 林さん 「そうなんですね」 ゆきさん 「この間は、先生がきちんと診てくれていないと怒ってられたから、あまりお話ししませんでしたが、検査結果も見ないで治療するのも、いい加減なことになる場合もありますよ」 林さん 「どうして?疲れているんだから、栄養剤とか処方してくれれば良いじゃない」 ゆきさん 「今回、たとえ栄養剤をもらって良くなったとしても、根本治療にはなりません。むしろ、気がつかないで放っておいたら、甲状腺機能低下が悪化して、よりひどくなっていたかも知れません。」 林さん 「私もこの間は疲れていたから、感情的になっていたかもしれませんね。いつもゆきさんのおかげで助かっています」 ゆきさん、 「とりあえず、お元気になって良かったですね。今後も出来れば、今までの経緯を見ていただいている医師におまかせした方が良いですよ。またお待ちしています。いや、本当は来ない方が良いんですけどね」と笑いながら林さんをお見送りしました。 登場人物 ★林 智子 林 智子(はやし ともこ) 40歳 橋本病 調子が良くないので、病院を変えようか悩んでいる ※ゆきさん薬局の物語に登場する人物は、フィクションですSun, 16 Jun 2019 23:10:15 +0900新患さんに、性格を見ながら説明しましたhttps://www.e-classa.net/tsurusan/blog/201906162309.htmlhttps://www.e-classa.net/tsurusan/blog/201906162309.html~名前が違うよ!~ 患者さんが集中して忙しかったのが少し落ち着き、ちょっとゆっくりできるかなというこいかにも初めてという雰囲気で、男性がゆきさん薬局に入ってこられました。 新人の真優ちゃんが、元気に「こんにちは」と言いながら処方箋を受け取りに行くと、男性は「これで、いいの?」と面倒くさそうに応えながら処方箋を真優ちゃんに渡しました。 真優ちゃんは「お預かりします」と笑顔で受取り、パソコンで生年月日を入力して小倉さんが登録されているか調べました。 新患さんであることを確認すると、真優ちゃんは処方箋に書かれているフリガナを見て、「小倉(こくら)さん、こちらの薬局初めてですね」と座っている小倉さんに話しかけました。 小倉さんは、返事もせず真優ちゃんをにらみつけました。 真優ちゃん、恐縮しながら話し続けました。 「ジェネリックの希望はどうされますか?」 小倉さん 「処方箋に書いてある通りで良いよ」 真優ちゃん 「一般名で書いてあるので、どこのメーカーの薬でもお選びいただけるのですが、どうしましょう」 小倉さん、吐き捨てるように言いました。 「まかせるよ」 真優ちゃん 「はい、わかりました。恐れ入りますが、こちらの薬局、初めての様なので、ご記入いただけますか」と初回質問票をお渡ししながらお願いをしました。 小倉さん 「書かなきゃいけないの」と言いながら受取り、「そもそも、小倉(こくら)じゃなくて小倉(おぐら)だよ」と不機嫌そうにつぶやきました。 真優ちゃん、「どうも、すいませんでした」と言って逃げるようにして事務さんに処方箋を渡しました。 ~何で保険証を見せなければいけないの?~ ゆきさん、新患さんには保険証を確認させてもらうようにスタッフに指示しています。 事務さんは、通常通りの業務として小倉さんにお願いをしました。 「すいませんが、保険証を確認させていただけますか」 小倉さんは「何で見せる必要があるの」と言いながら、投げるようにして保険証を渡しました。 ゆきさんは、スタッフを助けようとしましたが、ここで話したら怒り出すと思ったので、思いとどまり少し時間をおいてから話すこととしました。 事務さんは、「病院が間違えることもあるので確認させていただいているんです。助かります。お預かりします」と言って、その場は終わりました。 薬の準備ができると、真優ちゃんはゆきさんに救いを求める目で見ています。 ゆきさん、会釈をして小倉さんの薬を持ってカウンターに向かいました。 ゆきさん 「小倉さん、ご用意出来ましたよ」 小倉さん、返事もせず呼ばれたカウンターに来られました。 ゆきさん 「ご不快な思いをさせたようで、すいませんでした」とお詫びから入りました。 ゆきさん、話を続けました。 「保険証は、間違いがあると私たち請求できなくなってしまうんです」 小倉さん 「そんなの、病院が悪いんだろ」 ゆきさん 「そうなんですが、病院が責任を取って支払ってくれることはありません」 小倉さん 「そうなんだ」 ゆきさん、「そうなんです。実際、今も間違ってきているんですよ」と言って処方箋を見せました。 「こくらとフリガナがふられてますでしょ。うちのスタッフはこれを見てこくらさんとお声掛けしてしまったんです」 小倉さん、ばつが悪そうにしていました。 ゆきさん、「小倉さんのご協力で助かりました。ありがとうございました」と言って保険証をお返ししました。 ~患者さんと勝負をしています!~ ゆきさん 「それでは、お薬の説明をさせていただきますね。本日は喉が痛くておかかりになったようですね。抗生物質と喉の炎症を抑える薬、消炎鎮痛剤が出ています。抗生物質と喉の炎症を抑える薬は毎食後で飲み切って、消炎鎮痛剤は痛ければ飲むで構いません」 ゆきさん、風邪程度の時はあまりしつこい説明はしません。 あえて質問が出るくらい簡素な説明をして、患者さんから質問されるような環境を心がけています。 薬袋や薬情を見ればわかるような、決まりきった説明を望んでいない患者さんが多いからです。 小倉さんは、薬を受け取り、財布もしまい、帰る準備を始めました。 小倉さんが立ち上がりかけた時に、ゆきさんは声を掛けました。 「小倉さん、もしかして、ゆっくりお風呂に入っていませんか?」 小倉さん 「そうだけど、いけないの?」 ゆきさん 「早く治そうと思って、ゆっくりお風呂に浸かって温まる方がおられますが、それは喉の痛みを悪化させるんです。喉が痛いと言うことは炎症を起こしています。それを温めれば、腫れがひどくなって、痛みも増します」 小倉さん 「何だ、お風呂で温まっちゃいけないんだ」 ゆきさん 「はい」 小倉さん 「初めて聞いたよ。ありがとう」と小さい声で応えて帰りました。 患者さんが帰ると、ゆきさん、嬉しそうに真優ちゃんに話しかけました。 「真優ちゃんに話したことがあるかな。僕はいつも患者さんと勝負をしているんだよ」 真優ちゃん 「どんな勝負ですか」 ゆきさん 「患者さんが『ありがとう』と言ってくれるか、笑顔で帰ってくれれば勝ち、そうでなければ負けという勝負なんだ」 真優ちゃん 「うちでは、おばあちゃんから子供まで、みんなうれしそうに帰っていくので、連戦連勝ですね。でも、何でお風呂にゆっくり浸かっていると思ったんですか」 ゆきさん 「質問票の回答を見てごらん。怒っていたこともあるだろうけど、書きなぐっているでしょ。話していてもわかるけど、かなりのせっかちな人だよ。せっかちだからこそ、早く風邪を治そうと色んな事をしちゃうんだよね」 真優ちゃん 「へー、そうなんですね」 ゆきさん 「性格もわかった上で説明すると、喜んでもらえるんだよ。小倉さん、次回もうちに来てもらえると思うよ」とうれしそうに話すゆきさんでした。 登場人物 ★小倉 大樹 小倉 大樹(おぐら だいき) 55歳 男性 面倒くさがり せっかち ※ゆきさん薬局の物語に登場する人物は、フィクションですSun, 16 Jun 2019 23:09:07 +0900電話でクラバモックスの相談を受付けましたhttps://www.e-classa.net/tsurusan/blog/201906162307.htmlhttps://www.e-classa.net/tsurusan/blog/201906162307.html~中耳炎になってしまった!~ いつも明るい田中さん、今日は三番目のお嬢さんと来局されました。 瑠佳ちゃんが、耳を押さえながら入ってきました。 ゆきさん 「あれ、瑠佳ちゃん今日幼稚園は?」 瑠佳ちゃん 「今日ね、痛いから幼稚園休んだの!」 ゆきさん 「耳を押さえているから、中耳炎かな?」 田中さん 「そうなんですよ。来週、イベントがあるのに困っちゃう」 ゆきさん 「それは困りましたね。すぐに用意しますね」 田中さん 「はい、よろしくお願いします」 ゆきさん、薬を揃えて田中さんをお呼びしました。 「田中さん、お薬揃いましたよ」 ~クラバモックスの飲み方~ ゆきさん、クラバモックスの個別の包装を見せながら話し始めました。 「今日は中耳炎によく利用される抗生物質が出ています」 田中さん 「あら、これは見たことが無いわ」 ゆきさん 「そうでしたね。クラバモックスは個別の包装に入っています。この薬、粉がとても細かいんですよ」 田中さん 「いつものドライシロップのように、口に入れて飲ませればよいんでしょ」 ゆきさん 「瑠佳ちゃん、薬飲むの上手だから、それでも良いんだけど、粉が細かいんでむせることがあります」 田中さん 「あら、そうなの。その場合はどうやって飲ませるのが良いんですか?」 ゆきさん 「粉を少量の水に混ぜて、と言っても混ざらないんですけど。少量の水に入れてかき混ぜて飲ませてあげて下さい」 田中さん 「もう一つ薬が出ているけど、こちらは何ですか?」 ゆきさん 「クラバモックスは、飲むと結構で下痢する人が多いんですよ。だから、下痢を予防する整腸剤が出ています」 田中さん 「整腸剤なら、内科でもらったのがあるけど、それではダメなの?」 ゆきさん 「今日の整腸剤は、ビオフェルミンRと言って、普通のビオフェルミンとは違うんです。ビオフェルミンはいわゆる整腸剤ですが、Rは抗生物質が腸内細菌に悪さをするのを防ぐ抗生物質専用の整腸剤なんです」 田中さん 「じゃあ、これを飲んだ方が良いのね」 ゆきさん 「はい。面倒でしょうから、クラバモックスとビオフェルミンRを一緒に混ぜて、水に溶いて飲ませて下さい」 田中さん 「わかったわ。早速飲ませてみます」 ゆきさん 「早く治すためにも、すぐに飲ませてあげて下さい」 田中さん 「でも、朝夕食前になっているから、今晩の夕食前に飲ませれば良いかしら?」 ゆきさん 「今、10時過ぎで朝食も終わっているとは思いますが、今飲ませてあげて下さい」 田中さん 「食前でなくても、大丈夫なの?」 ゆきさん 「このクラバモックスの食前は、あまり大きな意味のある食前ではないんです」 田中さん 「どういうことですか?」 ゆきさん 「食前は、空腹時でないと吸収が悪くなるので、食前となっていることが多いのですが、クラバモックスの場合は、データのとり方が食前だっただけで、あまり根拠がないみたいなんです」 田中さん 「それじゃあ、食後でもかまわないの?」 ゆきさん 「メーカーに質問したら、『データーが無いからわかりません』となるけど、理論上では食前、食後のどちらでもそれほど変わらないと思いますよ」 田中さん 「どうもありがとう。帰って早速飲ませます」 ~下痢が止まらない!~ 翌日田中さんからの電話を、薬剤師スタッフの真優ちゃんが受けました。 田中さん 「ゆきさん薬局ですか。先日もらった、クラバモックスという薬で娘が結構下痢をしたのですが、飲ませ続けた方が良いですか?」 真優ちゃん 「えー、瑠佳ちゃん下痢したんですか。それはかわいそうな。クラバモックスの副作用ですよ。すぐに止めさせて上げてください」 横で聞いていたゆきさん、電話相手の田中さんにも聞こえるように、あわてて真優ちゃんを呼びました。 「真優ちゃん、作成中の薬作らないと、他の薬とわからなくなるから、こっちを先にやって。電話は変わるから」 真優ちゃん、不思議そうな顔をしながら、田中さんに「すいません、仕事が中途半端になっているので、電話変わりますね」と言って、ゆきさんに電話を渡しました」 ゆきさん 「田中さん、ごめんなさい。お電話変わりました」 田中さん 「ゆきさん、娘がクラバモックスを飲んでかなり下痢しているんですけど。止めた方がよいかしら?」 ゆきさん 「どれくらいひどい下痢なんですか?」 田中さん 「水状までにはなっていないけど、頻繁にトイレに行くんです」 ゆきさん 「そうですか。それはかわいそうな事になりましたね。今、うちのスタッフが話したようにクラバモックスの下痢の可能性が高いですね」 田中さん 「やはり、中止した方がよいかしら?」 ゆきさん 「処方された手塚先生ともお話したことがあるのですが、多少の下痢でも飲んでももらいたい場合があるんですって」 田中さん 「そうなんですね」 ゆきさん 「薬には必ずその期待される効果がありますが、なってほしくない副作用も生じてしまうことがあります。この効果と副作用のバランスを見ながら、我々は治療をしていくんです。中耳炎の場合には、耳の中なので、医師に見てもらわないと何とも言えないんです。改善している、もしくはそれほどひどくなければ、クラバモックスでなくても何とかなるとなるし、悪ければ下痢止めを飲んでもらってでも、治療継続したいとなります。だから、今回の件は医師にもう一度診てもらって相談してください」 田中さん 「そうよね。副作用があったから治療しなくてよいということにはなりませんものね」 ゆきさん 「はい」 田中さん、ゆきさんにお礼を言って早々に耳鼻科に向かいました。 ゆきさん、真優ちゃんに話しかけました。 「子供がかわいいそうだから、薬を止めるというのは気持ちはわかるけど、中止して中耳炎が悪化したら、もっとかわいそうな事になるんだよ」 真優ちゃん 「そうですね、すいません。しかも私のことを立てて、お薬作成中といっていただいたのですね。ありがとうございました。」 ゆきさん 「いや、本当に作成中だよ。ほら、分包機が音を立てて、真優ちゃんを呼んでいるよ。早く次の患者さんの粉薬作ってあげてね」 ゆきさんと真優ちゃん、二人ともうれしそうに目を見合わせていました。 登場人物 ★田中 恵子 田中 恵子(たなか けいこ) 45歳 女性 専業主婦 毎日子育てに追われている 田中 瑠佳(たなか るか) 5歳 恵子さんの三女 ※ゆきさん薬局の物語に登場する人物は、フィクションですSun, 16 Jun 2019 23:07:58 +0900糖尿病薬での適切な剤形を提案しましたhttps://www.e-classa.net/tsurusan/blog/201906162306.htmlhttps://www.e-classa.net/tsurusan/blog/201906162306.html~ゆきさんは、在宅訪問サービスを行っています~ ゆきさん薬局では、薬剤師の在宅訪問サービスを行っています。 ※薬剤師の在宅訪問サービスとは 通称「在宅」と呼ばれているのですが、認知症や手が不自由でご自身で薬の管理が出来なかったり、体が不自由で薬局に訪問できない患者さん宅に薬剤師が出向き、薬を管理します。 今日は、週に1度の福井さん宅を訪問する日です。 福井さんが、最初にゆきさん薬局に訪れたのは、8年前でした。 糖尿病薬をもらいにゆきさん薬局を訪れていたのですが、リウマチを発症し手足が思うように使えなくなり、ゆきさんが在宅訪問するようになりました。 ゆきさん、いつものように福井さん宅を訪れて部屋に入っていきました。 「福井さん、お久しぶり。1週間経つのが早いですね。お元気ですか?」 福井さん「本当だねえ。おかげさんで、まだ生きてるよ」とうれしそうに答えました。 ゆきさんも「また、そんなことを言って。福井さんのその笑顔なら、死神様もまだまだ連れて行けないと逃げていくね」とうれしそうに答えました。 福井さん 「そうかい。いつ行っても良いんだけどね」 ゆきさん 「だめだめ、うちの仕事を無くさないようにしてよ」 福井さん、笑いながら答えました。 「そうか、じゃあお中元でも持ってきてもらわないと」 ゆきさん 「お菓子でも持ってきたいのは山々だけど、福井さん目の前にあると何でも食べちゃうから、糖尿病に良くないよ」 福井さん 「そうだね。そうそう、このチョコレートもらったから、持って行っておくれ」 ゆきさん 「何だ、結局いつも僕がもらう方ですか。遠慮なくもらっていきますよ」 福井さんの目の前から誘惑を取り除くのも愛情だと思って、ゆきさんは素直に受け取って帰ります。 ~ペン型タイプだと自分で注射できない~ ゆきさん 「前回からインスリンの注射が出たけど、上手に利用できましたか?」 福井さん 「あれね、押すところが結構固いんだよ」 福井さんが利用しているのは、ペン型タイプのインスリン注射です。 ゆきさん 「え、そうなの!これは衛生的だし量の調節も簡単で喜ばれているんだけどね」 福井さん 「みんなには良いのかもしれないけど、私には固いんだよ」 ゆきさん 「そうかあ、じゃあ宿題として考えて来ますね」 ゆきさんの経験では、薬局でお渡しするインスリン注射を、ペン型タイプ以外を見たことがありませんでした。 ゆきさんは薬局に戻り、他の剤形は無いか調べてみました。 調べてみると、ペン型タイプが最も普及しているのですが、イノレットタイプというのが見つかりました。 ペン型タイプは軽くて便利なのですが、握力が弱い人には持ちにくく注入部分のボタンが押しにくく感じます。 それに対してイノレットタイプは握力や視力の低下した患者さんや、高齢の患者さんでも扱いやすく、簡便に操作できるよう握りやすい形状になっていて、単位目盛も見やすくしてあります。 ペン型タイプもイノレットタイプもプレフィルドタイプと呼ばれるインスリン製剤と注入器が一体になっているので扱いやすいはずです。 ゆきさん、早速福井さんに電話しました。 「福井さん、便利そうなタイプのインスリン注射が見つかったから、先生に相談して変更してもらうようにお願いするね」 福井さん 「本当かい。よくわからないけど、頼むよ」 ゆきさん、処方もとの医師に電話で疑義紹介をしてイノレットタイプに変更してもらいました。 ※疑義照会とは 薬剤師が処方箋を元に調剤を行う際、処方箋の記載に疑問点や不明点を感じた場合に処方箋の作成者に対して内容の確認を行うこと。 ゆきさんが福井さん宅を訪れたときは、ちょうどインスリン注射を打つタイミングでした。 目の前で利用法を説明して、その場で打ってもらいました。 福井さん 「これなら、使えるよ。いい仕事してくれるね」と福井さんならではの方法でゆきさんに感謝していました。 ~食事中に低血糖になる~ 福井さんは注射を打ち終えると、別の相談を持ちかけました。 「この注射を打った後に、ふらふらするんだよね」 ゆきさん 「食直前に打っているんでしょ」 福井さん 「そうだよ。でも食事が終わる前に何となくふらつき始めるんだよ」 ゆきさん、しばらく考えてから、次の質問をしました。 「福井さん、食事を終わるのにどれくらい時間がかかりますか」 福井さん 「どれくらいかはわからないけど、手が悪いからゆっくり食べているよ」 ゆきさん 「やはり、そうか。リウマチで手が不自由だから、食事を取るのに時間がかかるでしょ」 福井さん 「そうだよ」 ゆきさん 「このインスリン注射が食直前なのは、食後の血糖値が上がるのを抑えるためなんです。ところが福井さんの場合は、食事の時間がかかるので、食後の血糖値が上がる前に血糖低下が始まってしまうんですよ」 福井さん 「そういうことか。そりゃ、食事中に血糖値が下がるはずだね」 ゆきさん 「だから、今後は食事を開始してしばらくしてから注射を打ってみてはいかがですか」 福井さん 「そうだね、そうしてみるよ」 ゆきさん 「試してみて、次回その経過を教えてくださいね」 福井さん 「OK。いつもありがとう」 ゆきさん 「いえいえ、こちらも良い勉強になりました。ありがとうございます」 福井さん 「何だよ、わたしは、ゆきさんの実験かい」 ゆきさん、「はい、よろしくお願いします」と言ってうれしそうに帰りました。 登場人物 ★福井 敏江 福井 敏江(ふくい としえ) 68歳 女性 リウマチで手足が自由に使えない 糖尿病だが、状態が安定しない ※ゆきさん薬局の物語に登場する人物は、フィクションですSun, 16 Jun 2019 23:06:56 +0900熱性けいれんの適切な対処法https://www.e-classa.net/tsurusan/blog/201906162305.htmlhttps://www.e-classa.net/tsurusan/blog/201906162305.html~ママ友の紹介で来ました!~ 見慣れない患者さんが、ゆきさん薬局に自転車で訪れました。 処方箋をお預かり、パソコンで生年月日を入力して確認しましたが、やはり初めての来局でした。 ゆきさん 「浅井さん、こちらの薬局に来られるのは初めてですか?」 浅井さん 「えー、初めてです」 ゆきさん 「自転車で迷わずさっそうとおいで頂きましたけど、何故うちの薬局をお選びいただいたのですか?」 浅井さん 「『ゆきさん薬局なら、親切な先生がいて色んなことを教えてくれる』とママ友の間では評判ですよ。だから、私も来てみたんです」 ゆきさん、「そうなんですね。それはうれしいなあ」と素直に喜びながら返事をしました。 浅井さん「でも、ママ友の評判は怖いわよ!どこかで悪いことをしていたらすぐに見つかるから」と、初対面のゆきさんをからかいました。 ゆきさんも「それは困るなあ。評判はうれしいけど、夜に出歩いていたら見つかりますね」と笑いながら答えました。 浅井さん 「そんなことよりも、ゆきさんに教えてもらいたかったのでこちらに来たんのですが」 ゆきさん 「あーそうでしたね。すいません、きちんと仕事します」 浅井さん笑いながら「お願いします」と言って、相談を始めました。 ~2種類の坐薬の使い方~ 「今日は熱性痙攣で病院を受診したのですが、色々質問したくても混んでいたら、気が引けるでしょ。説明はしてもらったのですが、よく理解していなくて。もう一度教えて欲しいんです」 ゆきさん 「なるほど、そうですね。今日は2種類の坐薬が出ています」 浅井さん 「解熱剤と痙攣を抑える薬でしょ」 ゆきさん 「はい、アンヒバという解熱剤とダイアップという痙攣を抑える薬です」 浅井さん 「熱が出た時に、どのように使えばよいのですか?」 ゆきさん 「熱性痙攣は、熱が上がるときに起こりやすいです。目安として37.5度を超えてきたら、早急にダイアップ坐薬を挿入して下さい」 浅井さん 「先に解熱剤ではないんですか?」 ゆきさん 「ダイアップは油に溶ける性質があります。一方、アンヒバは油に溶かし込んで作られています。アンヒバを先に使う、もしくは同時に利用してしまうと、アンヒバの油にダイアップの主成分が溶け込んでしまって、効果が現れるのが遅くなってしまいます。それで、ダイアップを先に利用してほしいんです」 浅井さん 「そうなの!せっかくダイアップを挿入しても、アンヒバを先に入れていると効くのが遅れるのね。ダイアップは挿入してから、どれくらいの時間で効果が出るんですか?」 ゆきさん 「効果が現れるには、30分程度かかります」 浅井さん 「それでは、ダイアップの効果が現れる30分ほど待ってから、アンヒバを利用すればよいのですね」 ゆきさん 「えー、その通りです」 ~熱性けいれんの対処法を紹介します~ 浅井さん 「熱性けいれんに対して、注意することはありますか?」 ゆきさん 「熱性けいれんは子供のころ、具体的には5歳くらいまでに起きるのがほとんどで、8歳以上になるとほとんど起こらないと言われていますから、あまり悲観的にならないでください」 浅井さん 「それを聞いて安心したわ」 ゆきさん 「とはいえ、1度けいれんを起こすと再発をする確率は意外と高いので、対処法は覚えておいた方が良いですよ」 浅井さん 「えー本当ですか。この間は怖くてすぐに救急車を呼びましたけど、いけなかったのかしら」 ゆきさん 「救急車が来たころには、けいれんは落ち着いていたでしょ」 浅井さん 「はい」 ゆきさん 「隊員によっては、怒られるかもですよ。まずは落ち着いて時間を確認してください。たいていの場合は2~3分で治まります」 浅井さん 「ただ様子を診ているだけで良いのですか」 ゆきさん 「見ているだけというのはおつらいかもしれませんが、ゆすったり、大きな声で呼びかけないでくださいね。その刺激でけいれんが長引いてしまうことがあります。衣類が苦しそうなら緩めてあげたり、嘔吐しそうなときは、顔を横に向けて吐いた物がのどに詰まらないようにして下さい。気道を確保するために、いずれにしても体を横に向けてあげた方が良いです」 浅井さん 「どんな場合に救急車を呼んだ方が良いのですか」 ゆきさん 「けいれんが10分以上続いていたり、けいれんが治まっても意識が無かったり、嘔吐、頭痛がある場合は、迷わず救急車を呼んでください」 浅井さん 「落ち着いてできるかしら」 ゆきさん 「発熱時に、予防としてダイアップ坐剤を挿入してあげれば、けいれんを起こすことは無いでしょう。利用すると、一時的に眠気、ふらつきが出たり、かえって興奮することもあるかもしれませんが、2~3時間で治まりますから、心配しないでください」 浅井さん 「これで安心したわ」 ゆきさん 「あともう一つだけ注意してください」 浅井さん 「え、まだあるんですか」 ゆきさん 「熱性けいれんを起こしやすくする薬があるんです。風邪やアレルギーに使う抗ヒスタミン薬や、ぜんそく治療に利用するテオフィリン製剤です。熱が高くない時に利用するのは問題ありませんが、熱が上がってきたときは控えた方が良いですよ」 浅井さん 「本当にありがとうございました」 「紹介してくれたママ友によろしくお伝えください。そして今後とも、お手やわらかにしてくださいね」とうれしそうに見送るゆきさんでした。 登場人物 ★浅井 美香 浅井 美香(あさい みか) 3歳 熱性けいれんになってしまった ママ友の紹介で初めての来局 ※ゆきさん薬局の物語に登場する人物は、フィクションですSun, 16 Jun 2019 23:05:49 +0900日焼け程度で、受診してよいのかしら?https://www.e-classa.net/tsurusan/blog/201906162304.htmlhttps://www.e-classa.net/tsurusan/blog/201906162304.html~日焼け最中に寝てしまった!~ いつも花粉症のシーズンにうれしそうに薬局を訪れてくれる工藤さん。 鼻水で苦しんでいるようでもないのに、ゆきさん薬局を訪れました。 工藤さん 「ゆきさん、今日は処方箋が無いけれどもご相談があって来ました」 ゆきさん 「あら、どうしました。美人の訪問はいつでもウエルカムですよ」と言って出迎えました。 工藤さん 「ゆき先生、ほめても何も出ませんよ。それより、先日友達と海に行って寝てしまったの。それでこんなに日焼けしちゃって。どうすれば良いですか?」 よく見ると薄着のブラウスから、日焼けで首の部分がただれているのが見えます。 工藤さん、続けて質問しました。 「日焼け程度で、受診してよいのかしら?」 ゆきさん 「もちろん、大丈夫ですよ。それだけ日焼けしたら、痛いでしょう」 工藤さん 「ええ」 ゆきさん 「日焼けのひどいのは、やけどと同じです。その状態だとステロイドを塗らないと追いつかないと思います。市販でもステロイドは販売していますが、首の部分はそれでも良いけど、他の肩とかは、それよりも強いステロイドの方が良いでしょう。ステロイドには、スプレータイプもあります。広範囲だし、塗るのも痛くて大変でしょうから、スプレーが楽じゃないかな。皮膚科に行って相談してみてください」 工藤さん 「それじゃ、皮膚科に行っても大丈夫ですね」 ゆきさん 「はい。それから、ついでにビタミンCももらっておくと良いです。ビタミンCはご存知の通り、色素沈着を防ぐので、美白に利用するビタミン剤です。医師に相談してみて下さい。児玉先生なら、私は面識もあるので、ゆきさんに紹介されたと言って相談して下さい。強面な先生だけど、『ゆきさんの紹介か』と笑いながら処方してくれるから」 工藤さん 「それは良かった!それじゃあ、すぐに行ってきます」と言って、皮膚科に向かいました。 ~奥の深い保湿剤の利用方法~ ゆきさん、工藤さんが出られた直後に児玉先生に電話しました。 「児玉先生、お世話様です」 児玉先生 「雪原先生、こちらこそ、いつも患者さんをご紹介いただきありがとうございます」 ゆきさん 「先生、これから工藤さんという女性の患者さんが日焼けの相談でお伺いすると思います」 児玉先生 「そうですか、早いものでそういう季節になりましたね」 ゆきさん 「本当に、そうですね。それでその患者さんに、スプレータイプのステロイドがあることをお話したのですが、うちに今あるのがフルコートスプレーになります」 児玉先生 「患者さんも急いで利用したいでしょうから、それを処方すれば良いのですね。了解しました」 ゆきさん 「よろしくお願いします」と言って電話を切りました。 工藤さん、しばらくして処方箋を持って戻って来られました。 「ゆきさん、電話してくれていたのですね。児玉先生とスムーズに相談ができました」 ゆきさん 「予定通りでしょ!」 工藤さん 「えー助かりました。でも、打合せとは別に薬が処方されたのだけど、これは何で出たのですか?」 ゆきさん 「ヘパリン類似物質外用スプレーとヘパリン類似物質油性クリームですね。これは保湿剤ですよ」 工藤さん 「ステロイドだけでは、ダメなんですか?」 ゆきさん 「ステロイドは、ただれた肌を治療するのに利用します。治療だけを考えると、ステロイドだけで良いと思うかもしれませんが、皮膚は傷つくとバリア機能が損なわれて、水分が不足します。保湿剤は、そのバリア機能の役割をすると共に、直接水分を補う役割もしています」 工藤さん 「なるほど、傷んでいるところを治すだけではなく、バリア機能を高めてより速く治るようにするんですね」 ゆきさん 「そうなんです。工藤さんの場合は、まず悪いところにフルコートスプレーをしてください。それを皮膚になじませてから、ヘパリン類似物質油性クリームで閉じ込めるように塗るとより効果があります。それほどひどくはないところは、ヘパリン類似物質外用スプレーで水分を補って、同じくヘパリン類似物質油性クリームで閉じ込めるように塗ると保湿力を高めます」 工藤さん 「液体となるスプレータイプを、先に使用した方が良いのですね」 ゆきさん 「薬を油性クリームで閉じ込めるので、それが良いです。通常、ステロイドを利用するときは、悪い部分だけに塗りたいので、保湿剤の後に利用することをお話ししていますが、今回はステロイドが液体なので、先に塗った方が良いと思います」 工藤さん 「いつも、親切に説明ありがとうございます!」 ~サングララスの選び方もお知らせします!~ ゆきさん 「ところで、工藤さん、サングラスはしていたの?」 工藤さん 「えー、していました」 ゆきさん 「UVカットだった?」 工藤さん、笑いながら答えました。 「若いから、見た目重視です。UVカットまで気にしていませんでした」 ゆきさんも笑いながら、話しました。 「若くなくても、デザインは重視するんだよ」 工藤さん 「それは、そうですよね。失礼いたしました。それで、サングラスでもUVカットの必要があるんですか?」 ゆきさん 「紫外線は、肌や髪だけでなく、目にも様々な病気をおこす原因になります。また、目に入る紫外線は日焼けの一因とも言われているんですよ。だから、紫外線をカットすることは重要なんですよ」 工藤さん、冗談交じりに話しました。 「サングラスは、黒ければ良いのかと思っていました」 ゆきさん 「そう思うでしょ。ところがUVカットが無ければ、逆効果なんですよ」 工藤さん 「えっ、どうしてですか?」 ゆきさん 「サングラスの色が濃かったら、瞳孔が開くでしょ。ということは、多くの紫外線を目に取り込むことになってしまいます」 工藤さん 「やばーい。良いこと教えてもらいました。ありがとうございます」 「そう、やばいんですよ!気を付けてね」と笑いながら答えるゆきさんでした。 登場人物 ★工藤 菜月 工藤 菜月(くどう なつき) 23歳 女性 スポーツ大好きのOL 花粉症で毎年春に来局している ※ゆきさん薬局の物語に登場する人物は、フィクションですSun, 16 Jun 2019 23:04:38 +0900