傷寒論 太陽病中篇 第七十八條
太陽病過經十餘日反二三下之後四五日柴胡證仍在者先與小柴胡湯嘔不止心下急鬱鬱微煩者爲未解也與大柴胡湯下之則愈。
太陽病、過經十餘日、反って二三、之れを下し、後四五日、柴胡の證、仍ほ在る者には、先づ小柴胡湯を與ふ、嘔止まず、心下急、鬱鬱微煩する者は、未だ解せずと爲すなり、大柴胡湯を與へ、之れを下せば、則ち愈ゆ。
太陽病の狀態が(再經、過經とふためぐりした)十餘日も續いているのは、發汗すべきであるのに、二三回下しをかけてやった。そのうえ更に四五日たって柴胡湯の證がなおあるものは、まず小柴胡湯を与えてやりなさい。それでも嘔がとまらずに心下部のあたりが引きしまったり痛んだりする急迫症狀があって、身體に熱がこもってあつく、少しく苦しがるものは、まだ治ろうとしていないのである。大柴胡湯を与えて下してやればそれでなおるのである。
