傷寒論 太陽病中篇 第八十條
傷寒十三日不解過經讝語者以有熱也當以湯下之若小便利者大便當鞕而反下利脈調和者知醫以丸藥下之非其治也若自下利者脈當微厥今反和者此爲内實也調胃承氣湯主之。
傷寒十三日解せず、過經、讝語する者は、熱有るを以てなり、當に湯を以て、之れを下すべし、若し小便利する者は、大便當に鞕かるべし、而るに反って下利し、脈調和する者は、知る、醫丸藥を以て之れを下すを、其の治に非ざるなり、若し自下利する者は、脈當に微厥すべし、今反って和する者は、此を内實とするなり、調胃承氣湯之れを主どる。
傷寒にかかって十三日たっても治らず、病邪が各經を二めぐりした後でうわごとをいうようなものは、胃に熱があるからである。胃に熱が入ってしまったならば、當然湯藥で下してやるべきである。もしも小便が普通に出るものは、大便の方がかたいはずであるのに、反って下利をして脈が調和しているものは、醫者が丸藥の下しぐすりで下したということがわかる。これは正しい治療法ではないのである。もし自然に下利をするものは、脈の打ちかたがかすかにムラのある脈をするはずである。
今下っているのにかかわらず脈が和しているのは内が熱實しているのである。このような場合は、調胃承氣湯が主治するのである。
