傷寒論 太陽病中篇 第八十一條

太陽病深不解熱結膀胱其人如狂血自下下者愈其外不解者尚未可攻當先解外外解已但少腹急結者乃可攻之宜桃核承氣湯方。

太陽病、解せず、熱、膀胱に結して、其の人狂の如く、血おのづから下る、下る者は愈ゆ、其の外解せざる者は、尚未だ攻むべからず、當に先づ外を解すべし、外解し已り、但少腹急結する者は、乃ち之れを攻むべし、桃核承氣湯の方に宜し。

太陽病が治らずに、熱が太陽膀胱經に從って、膀胱に入って結ぼれ、そのために病人が狂ったようになったときに、自然に血が下るようになる。血の下るものは、太陽經の熱がそれによっておりるので、愈ゆるのである。その時に体表が解していないものは、下せば解すると思っても、下してはいけないのである。治療の順序として、外を解してやるべきで、外がすっかり治ってから後でただ下腹部がつれていたんだりし、こりがあって痛むものは、下しをかけてやればよい。それには桃核承氣湯を用うるのがよいのである。