傷寒論 太陽病中篇 第百一條
太陽病六七日表證仍在脈微而沈反不結胸其人發狂者以熱在下焦少腹當鞕滿小便自利者下血乃愈所以然者以太陽隨經瘀熱在裏故也抵當湯主之。
太陽病、六七日、表證仍ほ在り、脈微にして沈、反って、結胸せず、其の人、狂を發する者は、熱、下焦に在るを以て、少腹當に鞕滿すべし、小便自利する者は、血を下せば、乃ち愈ゆ、然る所以の者は、太陽の經に隨ひ、瘀熱、裏に在るを以ての故なり、抵當湯、之れを主どる。
太陽病で六七日たって、表證があいかわらずあり、脈を診てみると微かで沈んでいて、胸に熱が結ぼれずに、病人が氣狂いのようになるものは、熱が下焦にあるのである。そうすると當然下腹部はかたくなって、一杯に張っているはずである。それで小便がよく出る者は、下血をすると愈えるのである。こうなった理由は、太陽にある邪が經にしたがって、熱がとどこおりを生じて裏にあるためである。このような場合には、抵當湯が主治します。
