傷寒論 太陽病下篇 第一條

問曰病有結胸有藏結其狀何如荅曰按之痛寸脈浮關脈沈名曰結胸也何謂藏結荅曰如結胸狀飮食如故時時下利寸脈浮關脈小細沈緊名曰藏結舌上白胎滑者難治。

問ふて曰く、病に、結胸有り、藏結有りと、其の狀ちいかん、荅へて曰く、之れを按づれば痛み、寸脈浮、關脈沈なるは、名づけて結胸と曰ふなり、何をか藏結と謂ふ、荅へて曰く、結胸の狀ちの如く、飮食故との如く、時時下利し、寸脈浮、關脈小細沈緊なるを、名づけて藏結と曰ふ、舌上に、白胎滑なる者は、治し難し。

おたずねいたしますが、病に結胸という病があり、藏結という病があるというが、その病狀はどのようなものでしょうか。荅えていわれるのには、心下を押してみると痛さを生じ、寸口の脈が浮いていて關上の脈が沈んでいる脈狀を現わしているものを、結胸と名づけていうのである。
何をか藏結というのでしょうか。荅えていうのには、結胸の病狀によく似ていて、食欲は病を起こす前と同じである。そして時々下利をする。脈は寸口の脈が浮いていて、關上の脈が小さくて細く沈んで緊の脈である。これを名づけて藏結というのである。舌の上に白胎があって、ぬるぬるしているものは、治しにくいのである。