傷寒論 太陽病下篇 第十四條

病在陽應以汗解之反以冷水潠之若灌之其熱被却不得去彌更益煩肉上粟起意欲飮水反不渴者服文蛤散若不差者與五苓散寒實結胸無熱證者與三物小陷胸湯白散亦可服。

病ひ、陽に在り、まさに汗を以て之れを解するに應ずるを、反って、冷水を以て之れに潠き、若くは之れに灌げば、其の熱、却けられて、去るを得ず、彌よ更に、益す煩し、肉上粟起す、意ろに、水を飮まんと欲して、反って、渴せざる者は、文蛤散を服す、若し、差ゑざる者には、五苓散を與ふ、寒實結胸し、熱證無き者は、三物小陷胸湯を與ふ、白散も亦、服すべし。

病邪が表にある時には、發汗によって病を解すべきであるのに、あついからといって冷水を病人の体にふきかけたり、またはそそぎかけると、その熱が不安定になって、表にこもった熱がとれることができなくなって、一層ひどくなって熱のために苦しがるようになる。そのために皮ふに粟の粒のようなものが全身またはあっちこっちに出來てしまう。そして氣持ちでは水を飮みたいような感じであるが、かえって水は飮みこめないような者には、文蛤散を服用させなさい。文蛤散を服用しても治らない者には、五苓散を與えてやりなさい。
 その場合に寒が實して、熱が胸の中に追い込まれて結するようになり、熱發の證がないものには、三物小陷胸湯を與えてやりなさい。この場合に白散の證があれば、また服用してもよい。