傷寒論 陽明病 第五十三條

陽明中風脈弦浮大而短氣腹都滿脇下及心痛久按之氣不通鼻乾不得汗嗜臥一身及面目悉黄小便難有潮熱時時噦耳前後腫刺之小差外不解病過十日脈續浮者與小柴胡湯脈但浮無餘證者與麻黄湯若不尿腹滿加噦者不治。

陽明の中風脈弦浮大にして短氣腹都て滿ち脇下及び心痛久しく之れを按ずるも氣通ぜず、鼻乾き汗を得ず臥するを嗜み一身及び面目悉く黄小便難く潮熱有り時時噦し、耳の前後腫れ、之れを刺せば小しく差ゆるも外解せず。病い十日を過ぎ脈續いて浮なる者は小柴胡湯を與う。脈但だ浮餘證無き者は麻黄湯を與う。若し尿せず腹滿し噦を加うる者は治せず。

陽明の經が風に中てられる、脈は弦で浮いて大きくし、呼吸が早くて苦しく、腹全體が張って脇腹の下から心藏のあたりまで痛み、長い間腹や脇をさすっても氣が通じないために痛みや張りがなおらずに、鼻が乾いて汗が出ないで、横になりたがり、體全體から顏や目までがすべて黄色になり、小便が出にくく、時々シャックリをする。耳の前や後が腫れているものを鍼してやれば少しよくなって輕くなるが、熱はとれない、このような病狀が十日も續いて脈が浮いているものは、小柴胡湯を與えてやりなさい。脈がただ浮いて裏の證のないものは、小柴胡湯では治らないのである。