傷寒論 陽明病 第五十八條

陽明證其人喜忘者必有畜血所以然者本有久瘀血故令喜忘屎雖鞕大便反易其色必黑宜抵當湯下之。

陽明證の其の人喜忘する者は必ず畜血有り、然る所以の者は本、久しく瘀血有り故に喜忘せしむ屎は鞕しと雖も大便反って易く其の色必ず黑し抵當湯之れを下すべし。

病狀が陽明の證を現わしている人が、たびたび物忘れをするものは、必ず身體に留められている血があるのである。その理由は、もともと陽明の證を現わす前から古い瘀血があるからである。だからよく物忘れをするのである。この場合には、大便が硬いけれども氣持よく排便する。そしてその色は、必ず黑いのである。何がよいかといえば、抵當湯が一番よいのである。