傷寒論 陽明病 第六十五條
太陽病寸緩關浮尺弱其人發熱汗出復惡寒不嘔但心下痞者此以醫下之也如其不下者病人不惡寒而渇者此轉屬陽明也小便數者大便必鞕不更衣十日無所苦也渇欲飮水少少與之但以法救之渇者宜五苓散。
太陽病寸緩關浮尺弱、其の人發熱汗出で復た惡寒し、嘔せず但だ心下痞する者は此れ醫之れを下すを以てなり、如し其の下さざる者の病人惡寒せずして渇する者は此れ轉じて陽明に屬するなり。小便數なる者は大便必ず鞕く更衣せざること十日なるも苦しむ所無きなり。渇して水を飮まんと欲するには少少之れを與へ、但だ法を以て之れを救へ、渇する者は五苓散に宜し。
太陽病で寸口の脈が緩やかで關上の脈が浮いて、尺脈が弱い狀態の人が熱を發して汗が出て、その上に惡寒がして嘔き氣はなく、ただみずおちのあたりにつかえのある者は、これは醫者が下しをかけたためにこのような症狀を現わしたのである。もしも病人を下していないもので惡寒せずにのどの渇く者は、これは自然に病邪が内に入ってしまったのであって、陽明病になったのである。小便の回數が多い者は大便が必ずかたくなって便通がないことが十日もつづいても別に苦しい症狀はない。のどが渇いて水を飮みたがるものには、少しずつ水を與えてやりなさい。そして正しい治方で病をなおしてやりなさい。のどの渇くものには五苓散がよろしい。
