更年期以降の女性に多い“かくれ熱中症”と養生

まだ5月なのに暑いですねという会話が増えました。
実際、初夏を飛び越えたような暑さであり、体がついていかない方がとても多くなっています。

特に、更年期以降の女性は要注意。
「汗が止まらない」「急にほてる」「だるい」「頭が重い」「眠れない」「動悸がする」
こうした症状を、“更年期だからかな”と見過ごしてしまうことがありますが、実は体の中では“軽い熱中症状態”になっていることも少なくありません。

更年期世代は暑さに弱くなります。
女性の体は、女性ホルモンの影響を受けながら体温調節をしています。
ところが更年期以降は、ホルモンバランスが変化することで、自律神経が乱れやすくなり、暑いのに汗がうまく出ない。逆に必要以上に汗が出る。のぼせやほてりが起こる。喉の渇きを感じにくい。体温調節がうまくできないという状態になりやすいのです。

さらに年齢を重ねると、“体の水分量”そのものも減っていきます。
若い頃より「水をためておく力」が弱くなるため、少し汗をかいただけでも、体は乾きやすくなります。
漢方では、こうした状態を「陰虚(いんきょ)」と考えることがあります。
“潤い不足”によって熱がこもりやすくなり、手足は冷えるのに顔は暑い。
夜になるとほてる。。寝汗をかくイライラする。眠りが浅いなどの不調が起こりやすくなるのです。
つまり、更年期世代の熱中症対策は、単なる“水分補給”だけではなく、「体の潤いを守ること」がとても大切なのです。

熱中症対策でまず大切なのは、やはり水分補給です。
ただし、更年期以降の方は「喉の渇き」を感じにくいことがあります。
ですので、「喉が渇いたから飲む」ではなく、“頻回に少しずつ飲む”ことがおすすめです。
一気飲みではなく、まずは朝起きた時。次に食事の前後。
外出前にも。入浴前後はもちろん。寝る前にも水分補給をこまめに!

冷たいものばかりを大量に飲むと、胃腸が弱り、逆にだるさや食欲不振につながることもあります。
基本は常温か、少し冷たい程度がおすすめです。

そして汗で失うのは「水」だけではありません
汗をかくと、水分だけでなくミネラルも失われます。
東洋医学では、『汗血同源』と言い大量にかいた汗は大量に血を流したことと同じと考えます。体の消耗をするということです。

特に、マグネシウムやカリウム、塩分などが不足すると、
足がつりやすくなったり、めまいや倦怠感や動悸や頭痛などにつながることもあるんです。

ですので、そんな時におすすめなのが“お味噌汁”です
味噌には塩分だけでなく、発酵の力やミネラルも含まれています。
さらに、わかめ、豆腐、玉ねぎ、小松菜、かぼちゃなどを入れることで、体をいたわる一杯になります。
暑い日は「冷たい麺だけ」で済ませたくなりますが、胃腸を守る意味でも“温かい汁物”はとても大切です。

もう一つ。5月は「暑熱順化」が間に合っていないことが多いです。
実は、今の時期の熱中症が危険なのは“まだ体が暑さに慣れていない”からです。
真夏はある程度汗をかけるようになりますが、5月はまだ準備不足。
そのため、急な暑さで一気に体力を奪われやすいのです。
おすすめは、朝や夕方に少し歩き軽く汗をかく。毎日お風呂の時は湯船につかるなど“じんわり汗をかく習慣”をつけたいものです。
エアコンだけに頼りすぎず、少しずつ「暑さに慣れる力」を育てることも大切です。

更年期以降の不調は、周囲から理解されにくいことがあります。
でも、「なんとなくしんどい」「暑さが異常につらい」「毎年夏が怖い」という感覚には、ちゃんと理由があります。
「年齢のせい」で終わらせないでくださいね。

漢方では、その方の体質や弱り方をみながら、水分代謝、自律神経、胃腸の働き、“熱”のこもり方などを整えていきます。

最後に、熱中症は重症になる前の“軽いサイン”に気づくことがとても大切です。
「ちょっと変だな」「去年より暑さがこたえるな」
そんな時は、どうぞ無理をしすぎないでくださいね。

すいれん薬局では、
更年期世代の“暑さによる不調”や、自律神経の乱れについてのご相談もお受けしています。

「これって年齢のせい?」
そんな小さな違和感こそ、お気軽にご相談ください。