女性の漢方薬

いろんな世代に、いろんな悩み。女性の体調は、こんなに不安定。
自然なお薬で女性の心と身体の健康をサポートします。

〇20~30代・・冷え症と貧血
就職・結婚・出産・子育て・・・人生で大きな変化を体験する年代だから、不調の種類も様々。
特に、冷え性と貧血は若い女性の2大トラブルです。そのため体力が無く、ちょっとした事で疲れやすい。
だから活動的になれない。そして増々血行が悪くなるという悪循環に。
また、激しい生理痛を伴う子宮内膜症もよくみられ、不妊の原因の30%を占めると言われています。

〇40~50代・・更年期障害や子宮の病気
子宮筋腫が多くなったり、更年期障害に悩まされる年代です。
ホルモンバランスの乱れによる体全体の歪みが、血液の流れを悪くして瘀血の状態に。
その為、イライラや不安・冷えのぼせ・頭痛などの不定愁訴がひどくなり、更には鬱病になるケースも。
「誰にでもあるものだから・・・」と諦めないで!瘀血を改善する事で更年期の症状を軽くすることは可能なのです。

〇60代以上の女性・・骨粗鬆症や排尿異常、物忘れなど
年齢と共に体力も低下していく年代。
特に、閉経後、女性ホルモンの不足による骨粗鬆症が多くなり、ちょっとしたことですぐに骨折したり、足腰や背中の痛みなどの原因となります。老化した血管では、高血圧や動脈硬化も進行していきます。

〇産後の女性・・不調がいつまでも続く
出血によって失われた大量の血液が十分に補われない・・・
すると血液の流れも悪くなり、汚れた血が溜まってしまいます。その結果、いつまでも出血が続いたり、微熱が取れなかったり、母乳が十分に出なかったり、子育てに手がかかる為イライラしたり、眠れなかったり・・・産後の体調がなかなか戻らずにつらい毎日が続くのは、やはり瘀血が原因なのです。

更年期障害

更年期とは、一般に45歳から55歳頃にかけての期間を指します。
女性はこの時期になると、月経閉止と同時に女性ホルモンの分泌が急激に低下し、
その為、一部の女性に自律神経失調症状を主症とする不定愁訴が現れ、とても辛い思いをするようになります。
検査を受けても特に異常が見られず、他人に症状を訴えてもなかなか理解してもらえず、
一人憂うつな気持ちで毎日を過ごします。
一般に、よく見られる症状は次のようなものです。

◆自律神経症状◆
全身がカッとして熱くなったり、冷えたりする、
のぼせ、顔面の紅潮、
めまい、耳鳴り、動悸、発汗、頻尿、血圧異常など。

◆精神症状◆
神経過敏、イライラして怒りやすい、興奮しやすい、ヒステリックになる、
憂うつになる、不安感や取り越し苦労、集中力の減退、
疲れやすく物事が億劫、焦り感、人に会いたがらないなど。

◆その他の症状◆
月経異常となり、多くは遅れがちになる。
腹痛、強い肩こり、シビレ感、知覚神経の過敏や鈍麻、
口内乾燥、食欲不振、腹部膨満感、下腹部痛、便秘、下痢など。

現代医学では、多くはホルモン療法を試みますが、更年期障害は漢方薬でも充分に改善できます。

月経前症候群(PMS)

月経の3~10日くらい前から症状が現れ、月経が始まると軽減・消失します。
〇精神症状
気分の落ち込み、絶望感、自己否定的な考え、不安・緊張、気分が不安定、怒りっぽい、いらいら感、心理的葛藤の増大、日常の活動に対する興味の喪失、集中力低下、無気力、疲れやすい、食欲の変化(特に甘いものを欲する)、睡眠パターンの変化、異常な眠気、何かに圧倒されているような感覚、自分をコントロールできないような感覚

〇身体症状
乳房の圧痛や腫脹感、腹部膨満感、頭痛、関節痛、腰痛、筋肉痛、むくみ、体重増加、にきびや吹き出物、便秘、めまい、ほてり、吐き気、嘔吐、動悸

月経のある女性の20~50%にみられ、排卵後のホルモンバランスの乱れや、水分の貯留、ストレスなどが原因と言われています。
誰にでも、確実に効くという治療法は未だ確率されていません。
しかし最近の研究で、漢方薬とカルシウムの併用でかなり確実にお世話ができることが分かってきました。

月経困難症

月経が始まると症状があらわれ、終わると症状もおさまります。
月経のある女性の約30%にみられます。
主な症状は、下腹部痛や腰痛などです。
月経血が子宮の外へスムーズに流れないことや、子宮を収縮させる物質が多く作られることにより、子宮が強く収縮して下腹部痛や腰痛が起きたり、全身に作用して下痢、吐き気、頭痛などが起きます。
また、「子宮内膜症」や「子宮筋腫」などの病気が原因となっていることもあります。

子宮内膜症

子宮の内側は子宮内膜に覆われており、妊娠に備えて周期的に変化しています。妊娠が成立しないと、子宮内膜は出血を伴ってはがれ落ち、排出されます。これが月経です。
子宮内膜症とは、何らかの原因で子宮の内膜に似た組織が、子宮の筋層内や卵巣、卵管、腹腔内などで月経周期に合わせて増殖、出血を繰り返す病気です。
子宮内膜症の病巣からの出血は、血液が体外に排出されず、組織内にたまる為に障害が起こります。
主な症状は、強い月経痛、下腹部痛、腰痛、排便痛、性交痛、不妊などです。
血液が滞ることを漢方の世界では瘀血と呼び、漢方薬が最も得意とする分野です。

子宮筋腫

子宮の筋肉が増殖して、コブのようになった良性の腫瘍です。
下腹部痛や腰痛以外に、月経血が多くなり、貧血などが見られることもあります。

月経の異常

◆月経周期の異常◆
〇正常月経
 ・25~38日周期で、出血が3~7日間(平均5日間)持続する。
 ・低温期と高温期がそれぞれ14~15日ある。
 ・低温から高温へ1~2日以内に移行する。
〇原発性無月経
 18歳になっても生理が始まらない。
〇続発性無月経
 過度なダイエットや激しい運動で3か月以上停止している。
〇頻発月経
 周期が24日以内。
〇希発月経
 周期が38日以上。
〇不整
 周期が25~38日と定期的でない。

◆出血の持続日数と出血量の異常◆
〇過短月経・・2日以内
〇過長月経・・8日以上
〇過小月経・・生理がすじくらいしか出ずに、日の丸にならない
〇過多月経・・出血量が多く、ナプキンが1時間と持たない