薬膳100の話:「石見銀山」という薬

平成19年世界遺産に登録された「石見銀山」。
 ところで「石見銀山」とよばれた薬があったのは、ご存知でしょうか?

 薬といっても「殺鼠剤」。銀や鉛を採掘する際の黒灰食の土塊状の鉱石は大量の砒素化合物を含んでおり「砒石」といいます。この砒石を細かく砕いて殺鼠剤としたものを「岩見銀山」「猫いらず」などとよんでいました。。

 砒素の元素記号のAsはギリシャ語の「激しい作用をもつ」という意味からきており、大量に摂取すると激しい胃の痛みや吐き気をもよおしコレラと似た症状になり死に至るため、16世紀からヨーロッパ社会では毒殺に利用されてきました。

○ナポレオン:1821年セントヘレナ島で死去。ワインに砒素を混ぜられ毒殺された説があります

○チャイコフスキー:表向きの死因はコレラですが、当時、有名貴族の甥との同性愛の関係が発覚。砒素をつかった自殺・他殺説があります。

○トファーナ化粧水:17世紀、ナポリで売りでされる。表向きは化粧水ですが、数滴ワインやお茶に入れるだけで効果があり、貴婦人はたちは邪魔になった男たちを簡単に消すことができたとされてます。



(写真 「角島」にかかる長い橋の途中で )